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局所麻酔の理解が深まる1つの理論

局所麻酔下の手術時、痛みが出るときって申し訳ないですよね。

霰粒腫や急性涙嚢炎などの炎症部位への局所麻酔は、効果発現までに時間がかかることを念頭におく必要があります。

これは炎症部位ではpHがアシドーシスに傾いているので、局所麻酔薬の効果発現までに時間がかかることが原因です。

少し長くなりますがその理由です。

局所麻酔薬は水に溶けにくいため可溶性の塩酸塩として商品化されています。

そして局所麻酔薬が体内に注入されると、 陽イオン基と塩素イオン基に解離します。 

LAHCL LAH++ CL-   

さらに生理的pHでは、陽イオン基は次のように解離します。

LAH+  LA + H+ (LAH+:陽イオン基、LA:塩基) 

神経細胞膜を通過しやすい塩基型が多いほど効果発現が早いのですが、前述の炎症部位ではpHがアシドーシスに傾いているので、この反応が左へ進み塩基型が減少するので局所麻酔薬の効果発現に時間がかかるわけです。

いかがでしたか?この理論を理解することで局所麻酔への理解が深まります。ぜひ参考にしてみてください。

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