見出し画像

夏の食べ物

一番好きな
夏の食べ物は桃だ。

果肉が柔らかい物がいい。

赤ちゃんの頭くらいの
大きな
桃を常温で2日位おき
キッチンで 桃を揉めば
柔らかくなりガラスの器に
皮をはぎ入れる。
普段の
私の美学に反するが
1個丸のまま
かぶりつくと 甘い汁が
口中に広がり果肉が
トロリと歯に捉えられる。
持った手から汁が
器に滴る。これは
後のお楽しみ。
果肉をがしがし食べる
幸せホルモン全開だ。
芯のところまで
しっかり食べて
後は器に残った果汁を飲む。「あぁ美味しかったなぁ。幸せ幸せ」と
1人ごちる。キッチンで
手や口周りを洗う。
桃の果汁が付くと後に
残るのでタオルを首に
巻き用心する。

次に好きなのは
とうもろこしだ。
昔は
裏山にとうもろこしが
植わっていた。
とうきびと言っていた。

庭に七輪を用意して
焼とうきびを
食べるのが夏の日の
楽しみだった。

今 市中に出回っている
物よりずっと小ぶりで
噛み応えがあったように
思う。いつの頃からか
とうもろこしは蒸して
食べるようになった。
とうきびを食べた日々は
ずっとずっと遠ざかり

都会のマンションで
生活している私に。
今日は
何だか涙が 
溢れてくるのは何故
だろう。心が梅雨バテ?

とうきびを食べながら
見上げた空は
まっすぐな少女の心に
明るい未来をうつして
いただろうか?
キラキラ輝く
私の幸福を確かに
みていたのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?