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花が好き


一軒家に住んでいた頃は
庭に花を植えていた。

四季折々に目を楽しませて
くれていた。

玄関には、骨董品の壺に
どんと マーガレットを
いけたり 小手毬を
いけたりと季節の花を
家族で楽しんでいた。

庭には
父が来福する度に
庭に成り木を植えてくれた。

ビワやぐみにみかん。

少しずつ成長して

私たちの生活を彩り
季節の移り変わりを
身近に感じながら
心豊かに暮らしていた。

この幸せは永遠に続くと
思っていた。

しかし
現実はなかなか厳しい
ものだった。
本当に投げ出したいと
思ってしまう事が
約9年続いたが
いつも身近に花のある
暮らしは続けた。
花の持つ癒しのパワーは
私の背中を押し続けて
くれた。多忙な日々でも
季節の物を飾り
目や心を楽しませながら
歩み続けた日々だ。

都会の片隅でひっそり
暮らしている私だが
アマゾンから
定期便でお花が届く 
箱を開けると微かに
あまやかな香りがする。
眼福 眼福と心が
密やかに喜ぶ。
今日は
ピンクの薔薇メインの
可愛い花が届いた。
美しく可憐な花と
しばし会話する。
「綺麗で可愛いね。大好きだよ。ありがとう」
一瞬何かが返事した?
私の虚構の世界を旅を
している。一人暮らしの
ささやかな一時が
私の生活の中を優しい
彩りが染めてくれる。

最近
花卉農家に嫁いでいた
友より4月末で廃業したと
連絡があった。
7才年下の夫と2人で
9ヶ月は百合(カサブランカやソルボンヌ)の花を栽培
して
3ヶ月は現代美術家と
して作品を制作し
東京や大阪の画廊で
展示会をするという
スタイルを貫いてきた。

5月からは年金生活者と
して暮らしていくそうだ。
今年は久しぶりに
東京での展示会を開催
するという。

市場に出せない
カサブランカや
ソルボンヌが沢山
送られてきて
甘い百合の花の香りに
包まれる生活がなくなった。残念だけど

おめでとう。ありがとう。


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