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可愛いものが好き。

小さな私は
美しい可愛い物が
大好きだった。

それは
ショーケースの中で
青い目をして私を
じっとみている。

そこは大丸
おもちゃ売り場だ。
"ミルク飲み人形"だ。
欲しくてたまらない。
さっき店員さんが
大事に出してみせて
くれた。
可愛いし
ミルクを飲むのだ。
何やら女子の
母性本能をくすぐる。
お顔がやたら可愛い。
欲しくてたまらない
だから私は陳列ケースの
前に何かに
つかれた様に
座っているのだ。

アメリカ製のそれは
随分高価だった。
高い事は分かるが
自分の
欲しい物は何でも
与えられていたので
買って貰えない
今の状況がいたく
遺憾だった。
携帯電話もない時代
母は父に
連絡したようで
許可を得たのか
ショーケースの前に
すわり続ける私に 
根負けしたのか
遂にそれを買って
くれた。
母子の攻防戦は
4時間で終わった。

私は嬉しくて
その後
毎日その人形で
遊んでいた。
母が服を沢山作って
くれて 

お布団も
作ってくれたので本当に
飽きずに大切にした。

その後
私の逸話になって
大人たちから
言い出したら
聞かない私をからかう話の定番になった。
躾されてない
甘えん坊な私だった。
大卒初任給1万円の
時代の話だった。
と随分
のちに知った。
甘くて恥ずかしい話だ。

その後の私は
しっかり
かなり厳しい人生勉強を
しているのだ。アハハ

*追記*
最近
スワロフスキーの
ボールペンを
誕生祝に
妹の様な友だちから
貰った。
LOVEと云う文字が
揺れて私を癒して
くれる。
本当に嬉しかった。
可愛いくて
機能的で素敵だ。

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