見出し画像

桜に思う。

一番心に残っている
桜は京都の桜だ。
前年の3月に
夫が病に倒れ
どうやって大学に
通わせる事が
出来るのだろう?
途方にくれる私に
"地獄の底に落ちた

来年〇〇が大学に
入ったら例え1㎝でも
這い上がれる"

と母が言った。
息子を支えて下さる
方々の力もあって
翌年
息子は無事
大学生になった。

本当に嬉しい春だった。

京都の桜は
ひときわ美しい。

平安神宮の堀に
かかる桜は色鮮やかで妖艶だった。
哲学の道を歩くと
ハラハラと疎水沿いに
花びらが舞う。
〇都大学の簡潔で
素晴らしい入学式を
終えた
母と私と息子の3人で
満開の桜さく日を
古都で迎えた。
幸せな時間だった。
心に染み入る
桜の美しさ。
今も目を閉じると
艶やかな桜が
さく
光景が広がる。 
あれから
随分長い季節が
巡り今年も桜がさく
季節が巡ってきた
今年こそ
花見に出かけたい。
ふいに思った。
大切な誰かと共に
満開の桜さく木の
下にいたい。
ささやかな私の
願いだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?