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天界の人



夫が天界にいき
21年が過ぎた。
彼を悪くいう
人は誰もいない。
歩くと何かが
ゆれる。
すわると場の空気が
和らぐ。
後ろ姿は
あの大谷君だ。
ハンサムを自認して
いたがちっとも
いやみがない。
会った人をたちまち
魅了する不思議な人
だった。
家族として年末年始を過ごした朝。
"いってらっしゃい"
と声をかけると背中が
笑っている。
案の定
午前様の生活が
今年も始まると
私も息子も苦笑だ。
働き者で遊び好き
接待ゴルフは
フルコース。
ゴルフ-食事-麻雀。
ときにお姉さま。
深夜2時過ぎに帰宅。
朝7時前に
会長である父を
迎えに行き出社。
こんな短眠で
大丈夫だろうか?
不安が消える事は
なかったけれど
日々の生活で
家族が機嫌
よく暮らす事が
大事と
私は思い込んでいた。
天使みたいと云われていた夫。
約9年の闘病後
夏の日。
短くも楽しい人生を
雄々しく生ききった人だった。



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