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毎日が飛んでいく

帰省して3日目。
何やら時空間がゆがみ
倍速で動いている。
そんな風に思うほどに

時間が早く流れている。

田舎の時間は本来   
ゆっくり流れるが
今回の様に行事をする
となれば様々な事に
準備が必要となり
自然に慌ただしい。

明日は帰宅するので
荷造りも
しないといけないし…母の
残した物の整理もなかなか
捗らないし…あせる。

正午になれば
田舎の町には
サイレンがなる。
田舎の朝は早い….
夜更かしの習慣で
街中に暮らしていると
馴染めないなぁ?と
思いつつ日々を過ごし
明日は帰る。

母がいた頃は
帰宅する前日は
必ず
チラシ寿司を作っていた。

具だくさんのゆずの効いた
母の田舎風なチラシ寿司。

具材を沢山切って汁気が
無くなるまで炊くと
まず味見する。

合わせ酢をゆっくり煮る
沸騰させないように
混ぜ合わせる。

大きな飯桶に
炊き上がったご飯を
入れると汁気を切った
具材を乗せる。
合わせ酢をゆっくり
全体に回しかけて
きるように
ご飯を混ぜ合わせる。
ゴマをこれでもか?と
云うくらいかけて
布巾をかけて冷ます。

味見とかいって
つまみ食いをする。
母が笑顔いっぱいに
"美味しい?"と聞いてくる。
"うん!美味しいよ"と
子どものように
答えては2皿目を食べる。

そんな光景を
まざまざと思い出して
ふと涙ぐむ。

広い家のどこにも
母がいない理不尽に
耐えながら
遺品の整理をしている。
明日は帰宅する….
思えば遠くにきたもんだ。
麗らかな日射しは
今私の街とは異質の
暖かさと素朴な温もりが
あってやはり大好きだ。

 ラブ&ピース

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