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夏の初めになると

ぽぉっと光る

蛍が飛びはじめる。

幼い子供の心にも
何か不思議な光がともる。

蚊帳の中に入ると
枕元に小さな虫かごの
中で蛍がぽぉっと光る。

弟と二人でみいる。

やがて弟が寝入った。

私も眠たいが
目を閉じるといなくなり
そうで目を開けている。

私は頑張るお姉ちゃんだ。

やがて寝入った。

朝起きると
小さな虫かごの中で
蛍が固まっている。

弟が泣きはじめる。

私も悲しいが泣かない。

"泣かんでいいよ。
 お星さまになったきね"

"朝ご飯よ~"

服に着替えて居間に行くと

土間では
大人たちが山仕事に
出掛ける準備をしている。

皆の1日が始まる。

田舎の朝は早い。

日が昇ると仕事して
日が沈むと漆黒の闇が
始まる。

子どもたちは
早い時間から眠る。

単純で単調に
のどかな日々が
平和に豊かに過ぎていた。

山と川があり
子どもは年上のお兄ちゃんやお姉ちゃんに引き連れられて自然の中で遊んでいた。

雨の日は
竹で作った棒を
ちょっと上に放り上げて
片手で何本掴むか?
と競争して遊んだ。

何ていう遊びかなぁ?

今度
帰省したら友だちに
聞いてみよう。

豊かになった世の中だが

6年前に
小学5年生が友だちと
日曜日に映画をみて
遊ぶ予定表を忘れていた。

見ると3000円の
お小遣いを持って行く。

子どもの遊びに
お金が必要になったのは
いつからだろう。と
感じいった。

蛍の思い出がある私は
幸せだ。




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