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器が好き

小さな頃から
実家には人の出入りも
多い上に娯楽の少ない
時代だったので
何かにつけて宴会が
あった。必然的に皿や
酒器などが沢山あった。

骨董品があったり
九谷焼で皿鉢や
取り皿などを50客分が
揃っていたようだった。
父も58才で
呆気なく天界にいき...
盛時の面影はない。

結婚して以来
私の器好きは高じていた。
少しずつ好きな器を
手に入れて
食卓を美しく
料理が映えるように
盛り付けをする。
たまに
早い時間に帰宅した
夫がいる時は
料理にも器選びにも
力が入る。2時間位
掛けて ゆっくり
食事を楽しむのが
我が家流だった。
冷たい物は冷たいように
暖かい物は暖かいように
出していく。

舅も夫も実に
美味しそうに食べる人だった。作り甲斐があった。

「ただいまぁ!晩御飯何?」
「オムレツとサラダに味噌汁よ」
「お父さん遅いよね」

賢い息子は、おかずで
父親の帰宅を推察する。

夫は食べる事が大好きな
人だったので
とにかく品数を多く
作る必要があった。

多忙な人で週2回位しか
自宅で食事をしないのだ。
バランスを考えて
きちんとした物を作る。

胃袋を掴めと俗に云われる
が、まさしく必須事項だ。

家族が健やかで
機嫌よく暮らしたい。
そう強く願っていた。

私は、土佐の女だから
気は強いが気がいい女子だ。〇〇家は
夫も息子も舅も
男性陣は皆が穏やかな
気性で有難い事だった。

好きな器も転居の度に
あちこちに貰われて
いき。
各々の食卓を彩り
たまに送られてくる
写真をみて
その後の活躍ぶりに
心が喜んでいる。

私は器が好きだ。

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