我が青春。
年を重ねると
ふと昔を懐かしむ。
女子校の幼い青春も
エピソードには
事欠かないが
やはり
親元を離れて
暮らし
夫と知り合った事が
私の本格的な青春の
始まりだった。
一本の赤い糸は
ここにあった。
最初にみたOは
ビートルズのコピー
バンドでリードギターを弾き
甘い声で"GIRL"
を歌うリードボーカルだった。
バンド〓不良
と簡単な図式が
頭の中に
座っていた私は
全く興味がなかった。
ところが
下宿仲間のTちゃんが
そのバンドの
サイドギターを
弾いているT君の
ファンだった。
彼らがステージに
立つ
博多どんたく等を
追いかけ始めた。
当時は
体育館等で
ダンスパーティーが
週末によく開かれて
いた。
Tちゃんに誘われて
時々行った。
ある日
ひょんな事から
バンドのメンバーと
話す機会があった。
Tちゃんは憧れの
T君と頬を紅潮
させて話をしていた。
恋せよ乙女。
とかなりさめた目で
距離をとり立っていた。
すると
後に夫になったO君が
私に明るく話かけてきた。
何故か突然
心の中で
"リンリンリンリン"と
鈴の音がなり始めた。
激しく動揺する私。
一方で
"この人と10分以上話をすると抜き差しならない関係になる。危ない"
という声も聞こえた。
夏休みが終わり
福岡に戻ると
デートに誘ってきた。
思いきって行っみた。
話をすると
アインシュタインの相対性理論を論じる
中々のインテリだった。
見かけよりは頭は軽くなかった。
話題も豊富で
デートは
毎回楽しかった。
お互いに学生だから
割り勘にするという
ルールも気に入った。
当時
女子の倫理観は
かなり厳しくて
貞操観念もしっかり
維持していた。
O君は穏やかで
話上手だった。
秋の終わりには
O君のうちに招かれ
夕食を頂き
寡黙な父親と賑やかな母親と4人で楽しい時間を
過ごした。
実家の人の出入りが 激しい落ち着かない
様子とは違って
和やかだった。
憧れていた
サラリーマン家庭の
静かな佇まいが素敵だった。
BFとなったO君と
お互いに卒業する迄
福岡の街でデート
した。
福ビルの1階で
仲間と集合して
沢山でデートする事
が多かった。
恋愛事情も
今とは
違って大勢で
楽しんだ。
卒業すると
遠距離恋愛になった。
お互いに縁があった
のか結婚式を
無事にあげて
晴れて夫婦になった。
花嫁姿の自分に
酔っていた私。
最初の試練が
4か月後に待ち受けて
いるとは知るよしもなかった。
波瀾万丈人生の
2幕があがったのだ。
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