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外出の楽しみ

人生において一番狭い
部屋でひっそり暮らして
いる。たまに思いきって
外出することが目下の夢。

昔、船を使って吉野の桜を
見るツアーに行った。フェリーに乗ると眠っている間
朝には大阪に着き
バスに乗り換えて
桜見物に行く。一番乗りだったので、まだ人出もまばらだった。上に上がるに
従い桜が豪華になっていく。下-中-上-奥に
一目千本と云われる
桜がこれでもかと咲く。
向こうの山を見ると
桜がパッチワークされた
ように色とりどりに咲いている。顔が思わず綻ぶ。

金峯山時蔵王堂を
皆さんとみて下山。
下の駐車場は満タンで
続々と人波が山の上を
目指していた。

バスの中で弁当が配られ
友だちと食べる。

この後高野山に行った。
鬱蒼とした場所で
高くそびえる木に
日光は遮られて
まるで冥界にさ迷いこんだ
そんな気持ちになった。
名だたる武将の墓所が
そこここにある。
結界のはられている
奥の院には
未だに
弘法大師様が住んでおられ
そのお世話をされる方が
いる。そんな話が信憑性を
持ち真実味を持って
私の心は
揺さぶられた。
そんな世界だった。

高野山金剛峯寺に
上がって大広間や
梅の間に柳の間と
みて歩く。
襖絵は素晴らしく
教科書で見知った方が
描かれ豪華絢爛だった。
中でも
豊臣秀吉の理不尽な
切腹命令により関白
豊臣秀次が切腹をした
柳の間は幾星霜を経て
未だに当時のままに
華麗にあることが
見学者の心をうち続けて
いるようだ。

一山総境内と呼ばれ
弘法大師様の御徳に守られ
世界中から人々を
受け入れながら
日本を一層
ミステリアスな場所に
昇華し続けている。
とても心に残った旅だった。

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