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元生徒が来てくれた。

彼は
双子の姉弟で
教室にきてくれた時は
3才だった。未熟児だったらしく
小柄な子どもで
とてもシャイな性格だった。
段々と慣れてきて
笑顔がこぼれ始めた。

おうちの中に
エレベーターがある
ような
ところの子だが
二人とも当時
狭かった
教室にも
ゆっくり馴染んでくれた。姉は京人形のように美しく成長した。

弟は
活発で愉快な子どもに
成長した。

ある日
顔に泥を沢山付けて
やってきたので
"何したの?"
"ザリガニ取っていたと。売ろうと思う"
"今どきザリガニは売れんやろ?"

ある日は
"お金がない時は駐車場や自販機の下を探すとよくお金が落ちているよ"と得意気に教えてくれる。愉快だ。

一族の中で一番
将来性のあるのは
彼かな?と密かに
成長を楽しみにして
いた。
そんな彼が1ヶ月前に
訪ねてきた。
専門学校から大学の
3年生に編入すると
いう。
"よく頑張ったねー"と
労う。
流行りのグレーヘアが
似合う素敵な男性に
なった彼が3才児の
顔になりはにかむ。
変わらない可愛さだ。

今日
来週から大学に
通うと報告にきて
くれた。
細やかなお祝いと
精一杯のエールを
送った。
幸せにな~れ!
未来は無限に
 輝いているのだ
     ファイト!

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