見出し画像

お雛様を飾る。

私は
昔から美しいものが
好きだ。

人の出入りの多い
慌ただしい
うちだったが
季節の行事を
きちんとする家だった。

お雛様の段飾りを
して貰い甘酒を
飲む事が好きだった。
祖父が望んでか?
振り袖をきて
頭には
あんみつ姫みたいに
簪が飾られている
小さな私は可愛かった。

余談だが
若い頃私は
ジョニ黒1本
ロックで飲む位に
酒が強かった。
土佐の女だ。

お客文化の高知では
毎夜
人が集まり酒を飲む。
興にのると
はし拳が始まり
夜中まで賑やかだった。

端午の節句は
弟が段飾りを
して貰い
庭には
鯉のぼりがはためく。

田舎暮らしだったが
季節を感じながら
四季折々に生活を
心豊かに過ごせた事は
私の幸いの一つだ。

結婚しても
必ず四季の行事を
家族で楽しんだ。

豆まきの日は鬼に
なった夫が息子を
追いかけ回す。
鬼は外っ 鬼は外っと
必死に逃げながら
豆をぶつける息子が
かわいい。
年の数だけ豆を
食べた。

翌日は豆拾いが
大変だった。

息子が幼稚園に
通い始めた頃に
"美しい部屋"という
雑誌に出合い
時を同じくして
素敵なインテリアを
施す友だちを得た。

彼女の創意工夫して
部屋作りを楽しむ
ライフスタイルに
いたく感動した。

息子を寝かしつけ
工夫してタンスを
動かし ある物を
使ってインテリアを
考えながら季節感を
出していく。
至福の時間だった。

やがて
深夜に帰宅した夫が
"お前これどげんして
動かしたとや?"
アハハ秘密。

翌朝
息子が起きてくると
開口一番

"うわぁぼくのおうち
じゃないみたい"

よ~しと心の中で
ガッツポーズだ。

私の華の時間だった。


うちには
  お雛様がいる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?