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ノーム

森の妖精ノームについての本を
一人息子が4才位の頃に買った。
本当に素敵な本で
本屋の店頭で握ったこの本に息子が魅了されている事に気付いていた。
しかしかなり高価でもあったので夫のサラリーを思い
随分躊躇したが息子の買いたいと主張する目に負けた私は支払いを済ませて帰宅した。

ノームの素敵で平和な暮らしやノームの体の特徴等を網羅した図鑑かなぁ?
独特の色使いで全編カラー
の挿し絵が素晴らしい。
漢字がまだ読めない息子に
読み聞かせる。二人で懸命に本の中に没入した。
知らない世界が唐突に始まってワクワクが止まりません。
二人で顔を寄せ合いページを繰っていく。
きゃあ!わぁーが口からこぼれ落ちる。ノームの挨拶はこうだよねと息子が鼻を私の鼻にこすりつける。
鼻と鼻をこするって
なんと平和な挨拶だろう。
以来
しばらく我が家の挨拶の定番になった。
おはようも行ってらっしゃいもお帰りなさいもおやすみなさいもだ。

読めない所は読んでと息子にはまだ重い本を持ってくる。しばし家事を止めて二人で顔を近づけ見ていく。
なんと平和な心豊かな世界だろう……と感動する。
自然の中で繰り広げられる細やかな暖かい暮らしに
読み聞かせながら自分にも
読み聞かせしている感覚が
感動を呼び込む。
夕陽が落ちた。さぁ料理しなくちゃねと可愛い息子の側から離れる。料理をしながらふと見ると息子が本の上で眠っている。今寝ると
夜ふかしになる……さぁご飯だよ。お顔を洗ってご飯食べようかな。今日は2人と犬の夢斗に猫のにゃん平も一緒の食卓だ。
2匹は食事しているのにおこぼれ頂戴と私たちをずっと見ているのだ。
残念ながらカレーにサラダ。
あっ唐揚げがあったね。
中の身を少し2匹にあげる。味付けしてない1つが
2匹のおまけになった。

ノームの可愛いベッドのイラストを心に恙無く終わった秋の夜…….夫はまだまだ帰らない。
亭主元気で留守がよい等と
云われるがとんでもない。
親子揃って楽しい時間を過ごしたいな。と私いつも思っていた……..残酷な運命が家族の上に襲いかかってくるなんて本当に何も知らない。
平和なノームの世界が我が家にも
永遠にあると信じていた。
暖かく懐かしい日々が
私たちにも確かにあった!
今私はハッピーエンドを
目指してハッピーです。
コジャレた可愛いおばあちゃんになりたいな。アハハ

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