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睡眠導入剤

長い夫の介護生活の置き土産で不眠症になった。
43才で脳梗塞で倒れた夫は血管性高次機能障害と左側の麻痺等々が後遺症として
残った。
ある日突然宇宙人になった夫はなかなか手の掛かる人として私の所に帰ってきた。
息子が高2の3月の話だ。
当時息子は寮のある男子校にいたが何故か
あの日はうちにいた。
夫は救急搬送されたが
MRIだけでも6ヶ月待ちの時代の話だ。
処置の遅れが否めない。
今なら助かったかも知れないって思う。
それからは文字通り戦いの日々だった。
細かい事は覚えていない気がする。
諦めの悪い私は世の中に
"奇跡"という言葉があるならば私たちにも起きて欲しいとフィリピンのサイキック治療を受けたりもした。
現地でボーイを雇い半年を費やしたりした。
結果、余命宣告の3倍以上に生きてくれたので結果的には良かった。
時の流れの中で息子は社会人になったのだ。
そんなこんなの激闘の日々
睡眠を十分とる事が出来ない日を過ごしていたら何と通学や通勤時立っていても眠る事が出来た私が不眠症。
夫は約9年の介護生活を終えて本当に天界に旅だった。

睡眠導入剤は今や必須薬になり
月に一度クリニックに行く。
薬を飲む夜は時に元気な姿の夫を想う。
若くて素敵だなぁ!
あれから22年
私が天界にいったら
ばぁ様の私を見つけてくれるかな?
なんか大分ズルいなぁ。と1人腹が立つ?

  アハハ!

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