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結婚シーズン。

私は
若い頃

総絞りの高価な
振り袖をきて
友だちの結婚式で
友人代表として
スピーチをしていた。

あちこちから
声がかかり
シーズンには
本当に多忙だった。

友人はさておき
夫となる人の
人となりを知る事を
心がけながら
原稿を作成して
暗記するのだ。
ユーモアのある
小話を必ず入れて
笑いを取りながら
感動的な話にして
いく。
私の必殺技だった。

ハネムーンを終えた
友人夫婦が揃って
挨拶にきてくれる事が
何より嬉しかった。

高知市では
1番格の高い
結婚式場で300名以上
を招待しての結婚式だ。
昼と夜の2部式と
いった友だちもいた。

必然的に私も2回だ。

県知事や衆議院議員に参議院議員と県下の名だたる名士が揃っていた。

偉いおじさまたちは
枕言葉が変わるだけ
話の内容は同じだった。

いつも顔を合わせる
おじさまたちから
声をかけて頂ける
ようになった。

酒を飲んでも変わらない私にあきれていた
だろうが強者たちの
おじさまに
可愛がって頂いた。

ある日
感極まったように
衆議院議員のおじさまから
"わしにもう一人
息子がおったら
おまんをわしくの
嫁に貰いたいがやけんど まっこと残念ちや"

"私にもう一人息子が
いたら貴女をうちの嫁にきて貰い
たいと思っているが
本当に残念です"
と云われ驚愕した
けど嬉しかった。
帰宅して父に話すと
とても満足そうだった。
無邪気な私は
せっせとスピーチを
していたのだ。
楽しくて愉快な
思い出だ。 
友だちが
"あの頃
みいけはおじさまの
アイドルやったきね"
と云うけれど
怖いもの知らずの
小娘だったのだ。
いくつになっても
本質は変わらない。

今も私は思っているのだ。だめかしらん?


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