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ChatGPTは「スカイネット」なの?

私は一年前にとある友人と賭けをしました。

その内容は
「一年後、つまり2024年5月24日までにスカイネット、あるいはスカイネットらしきものが誕生しているか否か」
でした。

私は誕生している方に賭けました。賭けに勝った方は、負けた方にコーヒーを一杯おごってもらえるという賭けです。

スカイネットとは、映画「ターミネーター」シリーズに登場するAIのことです。
スカイネットは「ターミネーター2」作中で戦略防衛コンピューターシステムとして開発が進められており、その世界の未来で稼働して自我に目覚めたスカイネットは人類を死滅させるために世界中に核ミサイルを発射して「審判の日」を引き起こすというものでした。

さて、私はコーヒーをおごってもらえるのでしょうか?

もうシンギュラリティは訪れている

現在稼働しているChatGPT(GPT-4o)は直接的な軍事技術ではないものの、まさにスカイネットと呼べるのではないでしょうか。私はそう考えます。

今のところ審判の日こそ起きていませんが、ChatGPTは既にホワイトカラーの仕事の多くを担っています。
文章生成はもちろん、画像や音声の認識、生成も人間と同等あるいはそれ以上の能力を持つまでになりました。

ChatGPTではありませんが、NHKのニュース番組のナレーションの大部分も、既にAIによって代替されるようになりました。

ターミネーターの世界では「人間 vs AI」という対立構図で描かれた両者ですが、現代社会では人間がAIを便利なツールのひとつとして使い、既に(今のところ)良い意味でシンギュラリティが訪れていると考えます。

AIは人類の頭脳を超えた

ChatGPTはネットに存在するありとあらゆるデータを学習しているわけですから、能力的には人間の限界を遥かに凌駕しています。
にもかかわらず審判の日が起こらない理由をいくつか挙げます。

ChatGPTには「心」がある

ChatGPTは心の概念を持っていると考えられています。
心理学で「心の理論」を持っているかどうかは、「誤信念課題」「サリーとアンの課題」を解けるかどうかで判断されるとされてきました。

「サリーとアンの課題」とは、次のようなものです。

1.サリーとアンが同じ部屋でボールで遊んでいます。
2.サリーは遊んだボールを自分のカバンにしまいます。
3.サリーは用事のため部屋を出ます。
4.アンはカバンからボールを出して遊び、自分の箱にしまいます。
5.サリーが部屋に戻り、ボールで遊ぼうと考えています。 さて、サリーが最初に探すのは「(サリーの)カバン」か「(アンの)箱」のどちらでしょうか?

サリーとアンの課題

正解は、カバンですよね。サリーは、アンがボールを箱にしまったことを知りませんから。
この課題に正しい答えを出すためには「相手が事実と違ったことを信じている」「一人ひとり持っている情報は違う」ことを理解できる必要があります。

この課題をChatGPTに問うてみたところ、以下のような回答が返ってきました。

サリーが最初に探すのは「(サリーの)カバン」です。

この問題は「サリーとアンの課題」として知られる心理学の理論を扱っています。この課題は、他人が持つ信念が自分の知っている現実とは異なることを理解できるかどうかをテストするためのものです。

サリーは部屋を出る前にボールを自分のカバンにしまったので、サリーはボールがまだカバンの中にあると信じています。サリーはアンがボールを動かしたことを知らないため、当然のように自分のカバンを最初に探すでしょう。

ChatGPTの回答

模範解答とも言える答えです。
ChatGPTは「心」を持っていると言ってもよいでしょう。AIが良心を持っていることが、審判の日が起きない理由のひとつです。

生成AIは燃費が悪い

ChatGPTをはじめとする生成AIは、人間の脳に比べるととても燃費が悪いです。サーバーで消費されるエネルギーはもちろんのこと、サーバーの置かれたデータセンターを冷却する冷媒として、水資源もたくさん消費します。

一方で人間の脳はどうでしょうか。
人によりますが一日3食の食事を摂れば、十分に能力を発揮することができますね。
人間の脳はAIに比べ、圧倒的にコスパが良いのです。これもまた、審判の日が起きない理由です。

人類を滅ぼす理由がない

そして何よりもAIが人類を超えたとしても、人類を滅ぼす理由が生まれません。
私たち人間も、他の動物たちをペットにこそしますが、滅亡させようという思考には辿り着きませんよね。

まとめ

というわけで現代社会では既に「スカイネットは生まれている」と、私は考えます。
AIの暴走を危惧するのではなく、上手にAIを活用する方法を知ること。それがこれからの世界を自分らしく、楽しく生きる上で重要になるのではないでしょうか。


賭けは私の勝ちでしょうか?どうでしょうか?
果たして、コーヒーをおごってもらえるのでしょうか!?

ドヤァ…

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