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オレンジ

君に会って知ったこと
ひろがる想い
寄せた感情
紡いだ言葉
残した日々や
できたノートも
全てぼくになってしまった

ひとつとひとつだったものが
ひとつだけになった時
どんな色になるだろう

錆びて広がりゆくような
残し開かれずにいるような
留め 声にならないような
滲み、あざやかにわらう
色はオレンジ

手に残る温度も
耳に残る声も
目の裏に残る景色も

撚りあげたひとつひとつに
色が宿る
時には絡めとられて
苦しくなる夜もあったけれど

ぼくはね、透明でも
見えるその糸を見ていたから
遠くても近くても
変わらずに握りしめていたんだ

いつか 忘れて歩いていても
微かにその糸揺らして
ここだよ、と
応えてくれたから

だから、
君がわからなくなった時
色を付けるんだ
ここからのぼくに、つながる糸は
どんな色に見えるのだろう?

少し懐かしく、柔く寄り添う
数多の色 そっと繋げて
君がわからなくなった時
灯す色

ぼくが心を忘れたとき
まっすぐ見つめてくれたから
君がさみしくなったとき
まっすぐ見つめていられるように

そんなぼくがいる、と
心をなくさずいられるように

どこまで遠くに行ってもいいよ

ここから君に、灯す
オレンジ

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