通販開始

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文学フリマも終わり、『爆弾低気圧』vol.4は通販を開始いたしました。
通販先→ https://minne.com/items/25578117
今号は音楽がテーマですが、切り口が様々な多彩な素敵な作品がぎゅっと詰まった一冊になっております。ご一読いただけますと幸いです。

 音楽と言うと、最近まで私は自分の手のことが気になっておりました。きっかけは学生時代に読んだ村上春樹さんの小説『ノルウェイの森』でした。主人公が初めて訪問した場所で初対面の人に、握手された手を観察されて、唐突に「あなた楽器って少なくともこの何年かいじったことがないでしょう?」と質問され、「手を見るとわかるのよ」と言われた場面がなぜか気になり、当時全く楽器とは縁のない生活をしていて、「演奏をする手」に憧れました。
 その後、音楽コンサートを聴きに行ったきっかけで、弦楽器を習い始め、演奏サークルにも参加して、自分の手は楽器を演奏する人の手になったと嬉しくなりました。といっても見てもさっぱり違いはわかりません。
 やがて就職をして、仕事の忙しさからサークルを辞めて、楽器を弾かない生活が続きました。押し入れにしまった楽器を思い出し、楽器を弾かない手になってしまったと悲しい気持ちになりました。
 それから長い月日が過ぎた後、突然、別の楽器を習い始めました。2オクターブしか出ないシンプルな古楽器ですが、演奏会などにも参加して、毎日毎日弾いていたら、ある日、いままで楽譜がないとどんなに知った曲も弾けなかったのに、耳で覚えた音楽を弾けるようになり、鼻歌レベルですが、自分の思いついたメロディーを弾けるようになりました。頭で音階は全く認識出来ていないのですが、弦を押さえる指がなんとも楽しい曲、悲しい曲を弾いてくれます。繰り返し弾いたことで手や体が音階を覚えたようです。(脊髄反射的に高い音、低い音で判断しているのかしら???)
古楽器も続けておりますが、辞めたはずの楽器を最近習い始めております。
 手を見ても、やっぱりさっぱり、楽器を弾いていた頃といなかった頃との違いは分かりませんが、いつの間にか私は音楽を生み出せる手になったようです。(が、とても演奏としてはレベルの低いものですが)

となんだかよく分からない話ですが、こんな当方が生み出した音楽を巡る小説をお読みいただけると幸いです。

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