THE FIRST SLAM DUNKを観た

※ネタバレ含みます。

──俺の中でのスラムダンクは、青春時代に原作を読んだところで終わってるし、続きとかスピンオフとかあんま興味無いな〜…

こんなことをにわかに感じ、なんとなく気になりつつも俺は「THE FIRST SLAM DUNK」を観にいかなかった。

観終わった今、そんな風にほざいていた俺へ、ゴリは「バカタレ」といってゲンコツするだろうし、流川は「どあほう」と呟きながら冷たい視線を向けるだろう。


冗談はさておき、本当に本当に今更だけど、「THE FIRST SLAM DUNK」を劇場で観てきた。

俺は中学と大学時代にバスケ部だったし、SLAM DUNKも原作を読んだ身だ。
もともと結構昔の作品だし、俺が読んだのも10年以上前だし、冒頭に述べたように俺の中ではSLAM DUNKはちゃんと終わっていた。
だからだろう、これ以上俺とSLAM DUNKの思い出に何かを付け足す必要性を感じていなかった。

たまたま、旦那の提案でとある映画を立川へ観に行き、その帰りに辛辛魚食べるか!という契りを交わしたのだが、その映画は既に立川での放映を終了していた。
そこで、他になんかやってないかな〜と放映一覧を見ていたところ、1番下に「THE FIRST SLAM DUNK」の文字があった。

本当に何気なく、「お、まだやってたんか〜」と思い、観に行くことにした。

当日、初めて立川のTOHOシネマズに降り立った。
辛辛魚は食べる予定だが、やはりポップコーン(しょっぱいやつ)は食べたいし、それだけだと喉も乾くのでドリンクも頼んだ。
なんとTOHOシネマズ立川はドリンクバーを導入しており、映画開始前からテンションはバッチリ整った。

そして鑑賞。


俺は目の当たりにした。
あの頃のSLAM DUNKの青春を。

本当にすごい映画だった。
久しぶりに鳥肌が止まらないほど映画に感動した。

あの頃のまま、変わってほしくないと思っていた俺の中のSLAM DUNKは、何も変わっていなかった。
あの頃の感動が、まさにそのまま映画になっていたのだ。

今となっては原作を読んでからだいぶ日が経っているので、アナザーストーリーとして描かれていたリョータの家族の話の伏線が原作にあったのかどうかは自分の中でまだ分かっていない。
(いまはもう原作買う気でいる)

けれど、20年以上前の時を経て描かれたアナザーストーリーに、付け足された感は全く感じなかった。
これは本当に凄いことだと思った。

また、映画の大部分は原作のクライマックスである山王戦が描かれていた。
無論、漫画や当時のアニメで描かれていた試合の表現も大好きだったのだが、2023年の世ではバスケアニメがあんなにもぬるぬるとした動きと臨場感で表現できるのかと衝撃が走った。
(言葉で伝えるには限界があるのでぜひ劇場へ)

そして極めつけは、音楽。
主題歌は10-FEETの第ゼロ感だということは知っていたし、イントロからかっこいい曲だと感じていたので何度か好んで聴いていた。

そう、もともととてもめちゃくちゃかっこいい曲が、劇中ではもう半端なくそれを発揮していた。
イントロだけを使ったり、サビからいきなり使ったり、曲の要素全てが山王戦のために作られたのではないかと推察するほどだった。

とにかく展開が速くスピード勝負のバスケットボールの試合を、この曲が何百何千倍にも疾走感や没入感を得られるものに仕上げていた。
10-FEETすご。


尚、スラダンをほぼ知らず、バスケにも詳しくない旦那もまた、この映画にいたく感動していたことにも驚いた。

これは、スラダン自体の面白さがしっかりと活きていたからだと思う。
キャラクターの中には超人的な体力やバスケの腕を持つ者もいるが、天性だけでなく惜しみない努力を重ねていたりと、皆が共通で"人間らしく"バスケと向き合ってきたところがスラダンの面白さなのだろう。

可愛い女の子にバスケは好きかと聞かれてバスケ部に入部する者がいたり、能力をもてはやされた矢先に怪我を負いグレてしまう者もいたり、こうした描写も実に人間らしく愛らしい。

スラダンのキャラクターたちは、原作やバスケを知らない人までも惹き込む力があるのだと確信した。


俺はまぁまぁなどあほうなので、原作が全てだい!それ以上何もしないでくれや!と思いがちなところがあるけれど、今回はその考えを良い方向に裏切られる体験ができた。
なかなか出来ない体験だったと思う。

久しぶりに良い映画を観させていただきました。
本当にありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?