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ミドマガWeekly番外編 『僕たちがエールを届けながら考えていること』 【vol.1】

順調に大きくなるクラブ。関わる方も多くなりました。
熱心に応援する人・家族ぐるみで楽しむ人・支えるスポーツを実践する人。
となりの人がどのようなことをしているのか。
身近なコミュニティがどのような取り組みをしているのか。
見えづらくなってきたのも事実です。
素晴らしい活動や、多くの方に知っていただきたい考え。
そんな モノ や コト を不定期に紹介していきます。

『 僕たちがエールを届けながら考えていること 』

記念すべき1回目は、ULTRAS MATSUMOTO ダンマク班 やまさん と 事務局 ナオキさんをお迎えしてお送りします。
長年に渡り、ゴール裏の象徴であった横断幕 「 雷鳥は頂を目指す 」
7年ぶりに新調され、19年3月9日 浦和レッズ戦から投入されることとなりました。この「 雷鳥更新project 」を中心に進めたお二方からのお話をお届けします。(取材日:2019年2月25日 )

■ダンマク班の活動

―― さっそくですが、よろしくお願いします。最初に、松本山雅に関わり始めた経緯から教えていただけますか?

ナオキ 2006年の最終節からですね。何の試合かは覚えていないなぁ。あんまり覚えてない。はっきり覚えているのは、2007年からゴール裏へ行ったことですね。

やまさん 僕が観だしたのは2005年の最後から。北信越の2部から1部に上がるときの試合です。紙テープを投げたのを覚えています。その時は、バックやメインで見ていて、JFLに上がったらゴール裏に行こうと。

―― 昇格したら○○しますって言ってて、実際に行動を起こした人ってめずらしいですね(笑) ULTRAS MATSUMOTO にはどういうきっかけで関わったんです?

ナオキ 中学校の知り合いがすでにいて、スッと入れました(サブコールリード ちりちり こと けーしろー 氏)。自然とUMに入ってた感じです。快く迎え入れてくれましたしね。

やまさん ゴール裏に行き始め、試合終了後にダンマクの片づけを手伝うようになったんですよ。アウェーにもよく行っていたので、ダンマクを持って行ってくれないかと頼まれるようになって。それからですね。

―― ダンマク班って、普段、どんな活動してるんですか?

やまさん この時期は、新入団選手幕のデザインから作成までやっています。
シーズン中は、運搬・張出し・片付けの一連の管理を担当しています。

―― 素朴な疑問ですが、雨で濡れたらどうしてるんですか?

やまさん ダンマク班の各メンバーの自宅で乾かしてもらっていますね。

ナオキ あれ、自宅がヤバい人の家になるよね(笑) バンデーラはコインランドリーで乾かせるけど、ダンマクはそうはいかないもん。

やまさん アウェーで一番ヤバかったのは岡山ですね。なぜか雨が降るイメージが強いです。特にとれる対策もないので、ゴミ袋をたくさん持っていくようにしてます。

■雷鳥ダンマク 三代目に向けて

―― ナオキさんは、二代目雷鳥ダンマクprojectの責任者でした。J2 昇格時に更新したものが使われ続けてきて、今回、その役目を終えることになります。僕にはわからないんですけど、どういう気持ちなんです?文言を決める過程やデザインで相当悩んだじゃないですか。

ナオキ 良くやったなと。千代の富士の引退会見と同じだよ(笑)。体力の限界。本当に良くやってくれました。
二代目は、文言で悩んで。2012年ですね。あの時は、Jリーグ昇格を目指してずっとやってきて、それが実現した。当初目指していた頂はクリアできた、という考えもあったんですね。この文言でいいのか、ゼロからみんなで考えた。みんなが思っていることや考えていることをまとめるのに苦労しました。楽しかったですけどね。

―― 遠くから見ている限りだとわからないんですけど、相当に傷みは激しいんですか?

やまさん 使えないことはないけど。。。

―― いつ頃から三代目に更新しようって考え出したんです?

ナオキ そんなに古い話じゃないですよ。昨年の10月くらいかな。半年前くらい前の話しです。
きっかけは、ダンマク班の活動を見ていた事務局長から。雷鳥の運搬管理に相当苦労していて、傷みもある。雷鳥を作り変えるタイミングに来ていないか。作り変えるのであれば、扱いやすいものにしたい、という提言をもらってから。

やまさん 傷みも出てきていたところでもらった提案でした。
ダンマク班として、という話になりますが、昨年は勝負の年と捉えていたんですね。だから雷鳥ダンマクは、全試合に持っていきました。昇格するって思っていたし、信じていたので、意図して持っていきました。そういうこともあり、昇格したこのタイミングでの更新は、よい話ではないかなと考えるようになって。
今まで雷鳥ダンマクは、ダンマク班だけでなく、車で向かう方が持って行ってくれました。どんなに遠いアウェーであっても。新しくなると、スーツケースに入り空輸ができます。これは、ありがたい話です。

■雷鳥ダンマク 三代目に込めた意図

―― もう少し、二代目の話をさせてください。紆余曲折を経て、文言を継続するとなったわけですが、その時に、新しくしようと判断していたら、今回の雷鳥も違ったものになったと思います。どんな候補があったか覚えていますか?

ナオキ どんなのがあったかなぁ。Green Power とか ever green とかあった気がする。

――(笑)

ナオキ せっかくだから変えればいいって話もあったけど、良い判断だったよね(笑)。振り返ってみれば、なるべくしてなった選択だったのかなと思うよ。

―― あれって、誰が考えたか知ってます?

二人 多岐太宿

―― そりゃ知ってるか(笑)


――なまこ壁ってどこから持ってきたアイディアなんですか?なかなかのヒット作だと思いますが。

ナオキ 初代は無地で柄模様がなかったんですよ。何かしら、松本らしさを入れたいと思ったんですよね。
白いダンマクが白壁のイメージになって。そこになまこ壁があれば、土蔵とかの街並みをスタジアムに演出できるんじゃないかって。ぱっと思いついた発想。デザインしてみたらなかなか良くてね。
ちょうどその時、クラシコの関係で宇都宮徹壱さんが松本に来て下さっていて。お酒の席でご一緒させていただいた時に、「こういうものを考えているんです」ってお話したら、良いんじゃないかって言っていただいて。あれで自信が持てましたよ。

―― そんな、なまこ壁は、三代目にも引き継がれました。似たようなものを作るという判断も大変難しいことだと思います。様々な意見が出てくることも想定してのことだと思うのですが、どのような意図を込めたのですか?

やまさん 松本の地を何かで表現したいとは考えていて。お城か、なまこ壁。稜線で表現するというのも、ダンマク班内で人気がありました。最終的には、なまこ壁が松本の街を表し、後ろにいれた稜線は、雷鳥が一歩一歩、極端に言えば、松本から世界の頂に上っていくことをイメージしました。
白にこだわりを持ったのは、スタジアムで映えることを考えて。実際に張った時に存在感を示せるようなものにしたかったからです。

―― 今回は自分たちで作成するのではなく、初めて業者さんにお願いをしました。何でも表現できることになったのですが、随分、真面目なものが出てきたなと思いました。

ナオキ 最初は、カラフルなデザインもあったんですよ。ただ、議論を重ねるうちにシンプルなものに集約されていきました。
あの言葉って、力強くてストレート。イメージするときに、シンプルに視覚的に訴えるものが良いと思ったんじゃないですかね。他のダンマクでなく、雷鳥だからこそシンプルになったのかも。
多様な案があったけど、意味をなさない模様は止めようっていうことになりました。
皆には公開しなかったけど、水玉も作ったのよ。草間的な。あれはポップだったよ(笑) 身内からも批判されそうなんで止めたけど(笑)

―― そりゃポップでしょうよ(笑)

■三代目雷鳥ダンマクへの期待と新しい仲間へ

―― ゴール裏で存在感を示すダンマクが新しくなります。この変化への期待感はありますか?

やまさん まず、持ち運び(笑)。軽くなるので、いろんなところに持って行けるようになります。
アウェーで掲示すると、「持ってきてくれたんですね」って言われることがあって。そこの地にいる山雅サポだけではなく、向こうの社員の方やボランティアの方にも言われるんですよね。

ナオキ 僕の中でダンマクは、最強のサポーター説っていうのがあって。雨が降ろうが風が吹こうが、試合の結果に関係なくずっとメッセージを発信し続けている最強サポーター。最後は気持ち、ってずっと訴えている。
そんなサポーターが発する「雷鳥は頂を目指す」という言葉に、選手が、どこか琴線に触れてくれるのであればうれしいです。
そういう意味でも、できるだけアウェーに持って行って、選手を後押しするものになってほしい。もし、二代目がそうであったのならばうれしい事。三代目もそうなってほしいですね。

―― 随分、良いこと言ってますけど。やまさん、コメント変えます(笑)?

やまさん 大丈夫です(笑)

―― 最後になります。読んでいただけた皆さんに伝えたいことはありますか?

ナオキ 興味がある方は、一緒にやっていきたいですよね。
自分の気持ちをスタジアムにダンマクとして出せる。特権というと語弊があるんですが、自分の気持ちを乗せられるのは、サポ冥利に尽きます。
歴史に残る大一番に、自分のダンマクが掲出されている。これは、すごく思い出になるし、ありがたく貴重なこと。

やまさん ゴール裏に掲示をしているものを、ゴール裏に来ている人は見ることができません。北であっても南であっても。いろいろと考えて掲出をしていますので、一度見ていただけたらと思います。特に選手ダンマクの並びには、気を使っています。
考えてデザインし、考えて掲出したものが、いろんな方のチカラになってくれればうれしいです。
ダンマク班は、デザインが好きならチャンスは多いはずです。興味があれば、是非、一緒にやっていきましょう。

UM ダンマク班 twitter

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