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ミドルスクール合作杯 シングルエリミネーションラウンド1 たちばな(スレッショルド)VS天崎(エンチャントレス)

41人のプレイヤーによるミドルスクール合作杯、
その6ラウンドの戦いの果てに、8人の勝者が最強の一人を決めるシングルエリミネーションラウンドへ駒を進めた。

最大勢力であったゴブリンはその勢いのままシングルエリミネーションへ乗り込むプレイヤーを多く排出した一方で、
現在のミドルスクールにおいて強い警戒が必要と言われていた二つのデッキを選んだプレイヤーたちもシングルエリミネーションの舞台に立っていた。

かたや、大地から生まれた世界を埋め尽くすリスの群れ

《アルゴスの女魔術師》と《女魔術師の存在》という2種のエンチャントレスカードからエンチャントを唱えデッキを回転し、
《大地の知識》+《リスの巣》(もしくは白を含む2マナが出る土地+《聖なるメサ》)の、リスクラフトと呼ばれるコンボを成立させて無限にトークンを生み出し、相手を可愛さの暴力で押し流すコンボデッキであるエンチャントレス
乗り手は、今年の夏に開かれていたミドルスクール文化祭において準優勝の成績を収めた天崎

かたや、攻防揃った隙のない万能

《野生の雑種犬》・《敏捷なマングース》・《熊人間》といった強力な緑のクリーチャーと、
それらをカウンター・ドローソース・墓地肥やしでバックアップする青の呪文を中心に組み立てられたクロック・パーミッション、スレッショルド
乗り手は、Discord上で開かれていたミドルスクール大会において驚異的な勝率を誇っているたちばな

どちらもミドルスクール界におけるトッププレイヤーの一角。
だがここはシングルエリミネーションラウンドであり、最後に立ち上がって勝利に喜ぶのはたった一人。
名手と名手の打ち合いが、今ここに始まった。


Game1


シングルラウンド上位であったたちばなが高らかに先行を宣言し、たちばな・天崎、互いに1マリガンでスタートした1ターン目。
たちばなは《知られざる楽園》スタートする一方、天崎は1ターン目から《森》に《繁茂》をセットし、早い動き出しを見せる。 

貼られた土地から追加で緑マナが出るようになる

2ターン目にたちばなは《真鍮の都》から《野生の雑種犬》を置き、攻めの姿勢を見せるものの、
天崎は返すターンに《吹きざらしの荒野》から《平地》。そこから唱えられたのはエンチャントレスのキーカードである《女魔術師の存在》。

エンチャントを唱えたら1枚ドロー。一枚が何枚に化けるかよくわからないカード

しかしそこにはキッチリと《意志の力》で弾くたちばな。
3ターン目に《知られざる楽園》が戻るものの、再び置きなおし《野生の雑種犬》で攻撃を始めた。

一方の天崎も、セットランドから再びの《女魔術師の存在》。
が、そちらも《対抗呪文》で打ち消され、続く刃を集める手段を失った。

リソース源となってしまうため通してはいけない《女魔術師の存在》を2回とも打ち消したが、2ターン連続で《知られざる楽園》を置き直しているたちばなは先に進むための土地を進めることができていない。
返す4ターン目に再度《知られざる楽園》を置き直し、少しずつ《野生の雑種犬》で殴っていくものの、天崎の次のターンのセットランドとともに呼び出した《根の壁》の前に立ち止まってしまった。

すべての色が出る代わりにマナを出したターンの次のアップキープに手札に帰る
0/5で立ちふさがってくる上に、-1カウンターを乗せると緑マナまで出る

《根の壁》の前に立ち止まる《野生の雑種犬》。
さらに《真鍮の都》・《知られざる楽園》に続く土地を引けず、攻撃だけでなくそもそもの「動き」そのものも止まってしまった。

この生まれた時間で動きたい天崎が繰り出すは、墓地に2枚ある《女魔術師の存在》を引き上げる《補充》

墓地のエンチャントを全部戻す。当然通してはいけない

しかしそれを許さないのがスレッショルドというデッキ。
《根の壁》によって不要になった《目くらまし》を切って2枚目の《意志の力》で《補充》もカウンターする。
……が、2枚の《意志の力》によって失われ、そもそもスタート時のマリガンによって単純に1枚少ない手札は、たちばなの優位性を保ち続けることはできなかった。

6ターン目にようやく《島》を引いたたちばなの前に続いて天崎が繰り出したのは、《真の木立ち》

エンチャントに被覆をつける。1マナ+生贄に捧げるとデッキトップにエンチャントを持ってくる

《根の壁》の前に攻めに転じることのできないたちばなのエンドに《女魔術師の存在》をサーチし、そのままドローした天崎。
3枚目の《女魔術師の存在》は流石に止めることができず、そのまま《根の壁》のマナから《肥沃な大地》を設置。
《肥沃な大地》自体は《目くらまし》で消し去られるものの、リソース源となる《女魔術師の存在》を着地させた天崎は、マストカウンターを弾き続け手札を失ったたちばなを尻目にアドバンテージを稼ぎ続ける手はずを整えることに成功した。

流石に攻めはじめないと勝ちきれないと判断したたちばなは、マナバーンをしながら《知られざる楽園》を戻し《野生の雑種犬》の強化の手はずを整え、返す7ターン目から《野生の雑種犬》で攻め始める。
その後《手練》を打って有効牌を探すたちばなの残り手札は4枚。
再度《知られざる楽園》を設置しつつ2マナを用意し、残った3枚に《対抗呪文》があるぞ、と行動を言葉にせず相手に伝えるたちばなに対し、天崎は《アルゴスの女魔術師》によるリソース源の追加。
さらに《浄化の印章》で2ドローと、もはや少しのブレーキでは止まらないデッキの回転が始まってしまった。

《入念な研究》からスレッショルド達成の《熊人間》、さらに続くターンに追加の《熊人間》でどうにかライフを削り取りたいたちばな。
しかし天崎は《繁茂》から2ドロー、《リスの巣》からブロッカーを用意しつつ2ドロー、次のターンには《聖なるメサ》からさらに2ドロー……とデッキの回転を続け、辿りついた果てに繰り出された《大地の知識》によって成立したリスクラフトコンボから生み出されたリスの群れに呑み込まれてしまうのであった。

たちばな0 - 1天崎

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Game2


サイドボードの交換の後に行われた2ゲーム目。
1戦目と違い、お互いに7枚の手札をキープし、先行のたちばなが《溢れかえる岸辺》を設置したターンの返し、天崎は1ゲーム目と同じく《森》に《繁茂》のスタートを始める。

たちばなは《溢れかえる岸辺》から《留意》を唱え、そのまま場に着地した後の2ターン目、
早々にゲームを進められると困るたちばなは《知られざる楽園》のセットから《天恵の光》で《繁茂》を破壊。ゆっくりとしたゲームをすることを目指した。

エンチャント破壊。緑によるフラッシュバック付き

返す天崎のターン。2ターン目からデッキを回すことを目指し《アルゴスの女魔術師》をプレイするも、そこは《目くらまし》で打ち消しに成功。
たちばなは早くも《繁茂》を破壊した成果を得た。

が、《目くらまし》によって《島》を、そして《知られざる楽園》の効果によって土地を失ったたちばな。
《島》を置き直したたちばなの前に天崎が3ターン目に設置したのは《リスの巣》。

貼った土地にタップでリスを生成する効果を付与。リスクラフトの片割れ

だがこの動きで天崎の土地はフルタップとなった。
ここでたちばなから繰り出されるは《冬の宝珠》!

お互い土地が1枚しかアンタップしなくなる。エンチャントレスには結構刺さるカード

《繁茂》・《肥沃な大地》でのマナ加速に失敗した天崎の動きは完全に止まり、たちばなが失った土地を置き直す時間が生まれた……。

はずだった

返すターンに天崎が《吹きざらしの荒野》からサーチした《平地》から唱えられたのは、《浄化の印章》

先置き解呪。エンチャントなのでドローソースになってしまう。

再び戻った《知られざる楽園》を置き直すことしかできないたちばな
墓地に落ちた《天恵の光》で《リスの巣》を割り、せめてリスクラフトの成立だけは阻止を目指すものの、続く天崎のターンに唱えられたのは2枚目の《リスの巣》。完全に裏目となってしまった。

これまではカウンターと妨害を続けていたが、流石に攻めに転じなければならなくなってしまったたちばな。
《知られざる楽園》の置き直しからスレッショルドが達成された《熊人間》を送り出すも、ターン終了時の《リスの巣》によるリスの誕生から、返すターンで唱えられるは《大地の知識》

クリーチャーをタップで土地をアンタップ。
リスの巣ランドでリス→リスでアンタップを繰り返すとお手軽無限リス。

流石に通したら負けのカードであるため、虎の子の《意志の力》で阻止するたちばな。
しかし手札も土地もボロボロになってしまった。
天崎が残った2マナで繰り出したのは……

今地球上に40億~100億匹くらいリスが生きているらしい

母なる大地が、一匹のリスから世界を埋め尽くす数のリスを育て上げたのであった。

天崎Win!


(文責:とりにく)

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