【書籍紹介】IBD になった読みたい本1

おはようございます。
次は書籍をご紹介しようと思います。今回はあくまでも専門的な本ではなく、IBD に罹患したばかりの方やご家族の方向けに、無料の冊子以外で何が良いか考え、選びました。

1.IBDになったばかりのとき

 まず初めに申し上げておくと、IBD は非常に治療選択肢の多い疾患です。と同時に、痛みや下血、様々な症状との長い長い戦いが待っています。私が発症したのは大学6年生の時ですので、かれこれ…
 そのため不安や恐怖の根源を知ることは非常に重要です。

<<病気をしっかり知ること>>

 これに勝るものはありません。正しく理解すれば、再燃しても早期に受診し、早期に治療し、重症化を防ぎ、辛い思いを減らすことが出来ます。治療法がない病とは異なり、IBD にはたくさんの選択肢があります。
 そして、検査やこれからどうなるか、ライフプランはどうすべきか等様々な事を学んでいくことをお勧めします。

2.推薦

・IBD 診療ビジュアルテキスト
監修:日比紀文 出版社:羊土社
https://www.molcom.jp/products/detail/110488/
 これは本当に良書で、家族からコメディカルまで多くの方にご利用いただきたい本です。というのも、多少難しく感じる方もいると思いますが、医師・看護師・薬剤師・栄養士が書いた本は珍しく、外来・入院に伴う不安も解決してくれる構成になっています。
 例えば、担当医から告げられるであろう分類も分かりやすい可愛い図で記載されています。腸管外合併症の不安をお持ちの方も多いようですが、その頻度が具体的な数値と共に表で書いてあるのも宜しいでしょう。

3.ぜひ読んでほしい項目

・第三章 IBD に必要な検査
 です。IBD というと、多くの方がお話になるのが内視鏡と血液検査ではないかと思います。しかし、超音波検査や単純腹部X線検査も迅速で、再燃時すぐに検査できるという利点があるなど様々な面があります。
 この本では、そうした部分にかなり平易な言葉を用いて説明が書いてあります。多少の医学的知識は必要ですが、分からないところは聞けばよいのです。

4.読んでほしい層

・小児
・妊婦
・医療関係者
・学校関係者
 もちろん、すべての患者さんに推薦しますが、本書では小児や妊婦向けの項目にある程度の頁を割いています。特に執筆者の女性割合が高く、女性の看護に注目している点には、素晴らしいの一言しかありません。

5.最後に

 本書は 4,000 円とお値段は安くありません。(専門書としては破格の安さである点は、明記しておきます)
 が、例えば外来に置いておくなり、図書館や公的機関、難病連なんかは置いておいても宜しいのではないかなと思います。特に IBD の患児が通う学校では、ぜひ職員室へ一冊置いておいて頂きたいですし、学校医や保健師、学校薬剤師らは、教職員の疑問に積極的にお答え頂きたいと思います。
 外来については、置いている施設も多いかと思います。

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