見出し画像

Mari 「河津のいまむかし」(3日目)

9/15(金) 3日目

榎本浩子さんの車に乗せていただき、「伊豆ならんだの里 河津平安の仏像展示館」に一緒に向かう。
昨日初めましてをした方とその夜お風呂場でばったり会ったり、次の日車に乗せていただいたり、距離感の縮まり方が急速で不思議な感じがする。
みなさんフレンドリーかつ真摯に表現活動に向き合われていて、そんな方々と交流ができてありがたい。

駐車場から急激な上り坂をぜえぜえと登りたどり着いた「伊豆ならんだの里 河津平安の仏像展示館」では、平安時代の仏像が20体ほどが展示されている。(数体は上原美術館に出張中だった)

写真撮影OK。間近で拝観できる。

以前私は仏像のイラストを描かせていただく仕事をしたことがあり、その頃から仏像への関心は強くなった。(https://news.kodansha.co.jp/7473
研究者の先生方から伊豆の仏像のお話を伺うことがあり、いつか訪れてみたいと思っていたのでようやく拝観できて光栄だった。

こちらの仏像の歴史を、いただいたプリントをもとに簡単に紹介したい。
(詳しく知りたい方はぜひぜひ検索を)

元々は749年に行基により建立されたとされる那蘭陀(ならんだ)寺の伝承があり、辺り一帯に広がる大寺院だった。
だが1432年に山津波があり寺院や仏像たちが埋没、その後1541年に「南禅(なぜん)寺」が建立され、仏像は土から掘り起こされて以降はこちらに安置されることになった。

ご本尊の薬師如来坐像は、静岡県内最古の仏像といわれる。
奈良・京都から離れた河津にこれだけの古い仏像がたくさんあることは、珍しく貴重だそうだ。

土から掘り出されたため損傷が目立つお像が多いが、削られてしまっても衣紋の美しさなど造形力の確かさを感じ見応えがあった。

また、断片化された腕や足も同じように大切に保管されていた。

私は腕や手をテーマに絵を描いており、仏像や古代の遺物を意識している。断片化されたものは、何かの一部でありながらそれ自体で完結している存在でもある。
そこにないものを私たちはどのように想像できるのか、目の前にあるものと失われたものは何で繋がっているのか、そんなことを考えながら作品を作っている。

gesture 2
Oil on canvas
22.0 × 33.3 cm
2021 


午後からは古川さんや他の旅人の方と合流し、
「伊豆ばら園」「涅槃堂」「ブラシカファーム」「バガテル公園」をご案内いただく。

伊豆ばら園
猛暑の中、ハウスや畑を見せていただいた。
ばら園にあるカフェ「nanamaru cafe」
無農薬で育てたバラを使用したバラジュース、美味しかった!

涅槃堂
お堂内に入らせていただき拝観した。
2メートルを超える一木造りの涅槃像は珍しいそう。
自然農法で栽培されている、ブラシカファームさん。
写真は収穫2日前のさつまいも畑。
この撮影の直前に目の前で雉が飛び立ってめちゃめちゃびっくりした。

バガテル公園
フランスの風景にそっくりだ〜と思ったら、手前の青い門はフランスから運んできたそう。
中にあるコワーキングスペースもフランスからの家具で揃えられていて雰囲気最高。


地元の方々が外から来た人間にもオープンなのは、昔、河津川下口に港があったからなのかな、と先ほどの仏像展示館で教えていただいた知識を思い出していた。

夕方は、町役場で町長さんたちと意見交換会。
旅人サイドは皆緊張気味だったが、役場の方々が色々なお話をしてくださったおかげで徐々にゆるやかな雰囲気に。
「自分たちにとっての当たり前は外の人間にはそうではない。気がついたことを教えてもらえたら」との町長さんのお言葉の通り、「河津ではそうなんですね!」と思う話が多かった。

中でも河津に伝わる民話に興味を持ったところ、街の図書館に絵本があると教えてもらった。明日は図書館に行って読んでみよう。

意見交換会のあと、外にでたら虹。
今日も大充実の1日でした。ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?