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榎本浩子「なにもしないこと」(5日目)

朝、iZooに行ってみる。
動物は好きな方だけど、
爬虫類、そこまで好きじゃない。

3連休とあって、朝から家族連れで賑わっている。

トカゲ、ヘビ、ワニ、カメ
エミューや鶴もいた。

エミュー

今日もとにかく暑い。
朝からへとへと。

お昼は河津駅近くの吉丸というお店で海鮮丼を食べる。
駅前でこんなにおいしい海のものが食べられるなんて!
群馬は海がないので、うらやましい限り。

そのあと寄った船戸の番屋では、
目前に海が広がる温泉に入る。

温泉入り口

ひとやすみ、とはいえ暑い。
涼しいところを求めて、
ならんだの里で教えてもらった上原美術館へ。

山の中に広い敷地、
きれいな建物がたたずむ。

仏像だけの美術館かと思っていたら、
モネやマティス、ルドン
絵画も良いコレクションがある。
新しくきれいな美術館、広大な敷地、コレクション。

このご時世、どこの公立美術館も予算が少ない。
ましてや地方の美術館は作品すら買えないなんてのはよく聞く。
ここはどうやら違う。

仏像館の
「きれいな仏像 愉快な江戸仏」
企画展が良くて、

なんだか楽しそうな像

なんだか楽しそうな像とか、
病から守る疱瘡神像とか、
持ち歩き像など
神々しいというより、素朴なかわいらしい像。
きっと小さな集落で大事にされていきたのだろう。

美術館の隣の向陽寺、達磨大師

上原美術館の近くにおまんじゅう屋さんがあるようで行ってみる。

おまんじゅう屋やってなかった。
「わ」と看板のある建物が隣にあるので寄ってみる。

明るい職員の方がどうぞ見てって!と案内してくれる。
聞いてみると、おまんじゅう屋さんはいつも早い時間に売り切れてしまうらしい。残念。

こちらは障害のある方の作業所で作られた作品を販売しているところだそうだ。
それにしてもこの安さ。
「土代にもならないわよ!」と、確かに。
安いのですぐ売れてしまうそうだ。
「みんな好きにやってるの。この人なんてもう60なんだけど、
ヘリコプターの絵なんかをずっと描いてるの。」

かわいい

陶器、すごく上手に作られている。
もうみなさん20年くらい作っているそうで、完成度が高い。

途中で人がやってきた。
「わたし、コピー機使えないから頼んでるの。」
新しい大きなレーザープリンターが置いてあるのに、わざわざ人に頼んでるそうだ。

いろいろお話を聞いていると、
上原美術館は大正製薬会長のコレクションを中心とした美術館で、
近くにある下田セントラルホテルも大正製薬が経営している。
ここは河津近くだけど下田で、会長の故郷。
先ほど見た向陽寺に上原家のお墓があるそうだ。

コップやお皿などを購入して、
よかったら中も見てって、と作業場も見せていただいた。

さをり織り

陶は別の場所での作業。40人くらい通所してる方がいる。
依頼されたものもよく作るそうで、
老人会の景品作り、
名刺作り、
なんでも屋さんである。
「なんでもやらないとやってげないのよ~」と職員さん。
「わ」はみんなの輪という意味とのこと。
楽しい職員さんとしばらく話をして、河津駅へ向かう。

mariさん、有泉さんと合流して2度目の河童のお寺栖足寺へ。
人生初の座禅。

座禅は目的を持たない。無。
深い呼吸。
まずは10分。
無でいようとしても、
いつのまにか、頭の中が考え事でぐるぐる。
足、しびれた。

次に30分。
周りの音が大きく聞こえる。
蝉の声
電車の音
人の声、足音
だんだん足が痛くなってくる。
足、すごくしびれた。

お坊さんは座禅をし続けるという厳しい修行があるそうだ。
やってみるとわかるけど、想像以上にきつい。
きつく感じるのは、普段心がせわしないということなんだろうな。

お坊さんってすごいな、改めて思う。

座禅のあと、ご住職とのお話、
このワーケーション、みんなそれぞれ毎日せわしなく色んな場所に行っているけれど、
「なにもしない」ことで土地を感じることもある。
だからなにもしない時があってもいい。
せっかく初めて河津に来たから、たくさん見なければ!と思ってしまい、
暑さもあってへとへとな毎日。
ご住職のこの話を聞いてなんだか安心した。
この旅はあと2日だけど、他の場所でもその心構えでいたい。

一日の締めくくりに座禅、良い体験になった。

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