宮本華子 滞在レポート(まとめ)

静岡県湖西市の新居に2023年10月13日から19日までの1週間過ごしました。
MAWに応募するに際に、ホスト情報と地図情報を交互に見ながら、イメージを膨らませて、海が近く魅力的な建物が拠点となる新居を希望しました。
マッチングが通った通知がきた際は、とても嬉しく
友人や家族に、まだ行ったことのない新居についてネットで
少しだけ得た知識を披露した覚えがあります。

新居に着いてからは拠点となる小松楼を中心に、町を毎日歩き回りました。
京都の碁盤の目を参考に作られた町は、歩いて回るのに、分かりやすく出来ており、家々に置かれる氏神さまのお社さまや、気になる景色を追いかけ
探しながらぐるぐるしていると1週間はあっという間過ぎてしまいました。
毎日の町歩きの前後に、浜名湖や太平洋、勧められたご飯屋さんに車で遠征しながら、少しずつ新居関所付近以外の地理も頭に入っていき、お気に入りの場所の自分なりの好きな時間も出来て、その時間にその場所に行けるようにするために動くようになっていきました。

滞在中は、ホストである新居まちネットの馬淵さん、山口さん、寺田さんに特にお世話になりました。町や建物の歴史を丁寧に教えて下さり、また質問や希望にも臨機応変に応えて頂けたのがありがたかったです。
山口さん、寺田さん、小松楼のみなさんが新居をとても大切に想っていることが会話の随所に溢れていて、そんな誰かの大切な場所に自分がいれることが幸せな日々でした。
拠点となっていた小松楼の建物維持のための手直しは、業者ではなく自分たちで行っていて。だから小松楼は作品なんです。
と話してくれた寺田さんの、茶目っ気のある表情に心をぐっと掴まれました。私自身のマイクロで運用しているアーティスト・イン・レジデンス施設も、少しずつ自分たちで使えるようにしているので、小松楼のみなさんが小松楼に抱く気持ちの一端を垣間見て、その想いに強く共鳴しました。
今回の滞在では、私は歩きまわりながら土地勘の基礎を作ることで手一杯でした。なのでまたぜひ訪問、滞在する際に、今回関わった方たちの私的な時間をもっと目撃できたらと考えています。
日本で唯一残る関所がある町で、自分たちの大切なものを、大事に残し伝える努力をしている人たちが、それぞれどういう人生を過ごされてきたのか、どういった経緯で、それぞれに新居関所や小松楼と関わることになったのかお話をゆっくりうかがいたいです。

今回MAWに参加した時間は、私の人生と制作に明確に必要なものでした。
8月に日本に戻ってからはディレクターとしての過ごす中で、ゆっくり散歩することや食事することが出来ない日々が続いていました。
新居では町をのんびり歩き、その中で見つかる素敵な景色や魅力に日々
胸が高鳴り、穏やかな時間が与えてくれる喜びに向き合うことが出来ました。そのおかげで自然と自分自身の制作の時間と、新作についてゆっくり考える気持ちになれました。
新居は私が自分の大切にしたいことを思い出させてくれた場所です。
この場所を好きな人が増えたら嬉しいので、ひとまずは自分の大切な人たちに、せっせと新居での楽しかった時間を話して魅力を広めていきます。
そして、その間も新居で作りたい作品の構想を練り練りして、次なる試みに向けて準備していく所存です!!
新居と新居のみなさんとの再会を楽しみにしています。
(MAWで一緒だった三本木さんも)


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