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第2回アートプロジェクト視察研修 Part.2

 第3会場の民宿カプリコーンの敷地内に「八岳権現道研究所」と名付けられた部屋(小屋)があって、地域のマップや研究書籍、カミの存在が写っていると思われる写真群が展示されていました。土間には権現様と呼ばれる石造りの祠のレプリカが置かれていました。これらはアーティストの荒木佑介さんと伊藤允彦さん、デザイナーのBACCO夫妻によるインスタレーションでした。

カミを祀った痕跡マップ
権現様の祠


部屋の中の囲炉裏

感想シェア会

 各会場での作品見学後、昼食会場の民宿カプリコーンの食堂に戻り、お茶とお菓子をいただきながら、感想会となりました。
 私は、1980年代に、西武グループのメセナ活動の関係で、西武百貨店浜松店のイベントホールの企画に関わっていました。阪急グループの大阪・梅田の阪急ファイブのイベントホールに定期的に通っていました。アーティストの活動に対して、メセナ活動があった事を話しました。
 実は、今回の視察研修参加者のうち、ホスト側は私一人でした。「NPO新居まちネット」として、10月13日から19日まで、三本木歓さん、宮本華子さんとパートナーの牛嶋さんのホスト担当でした。そこで、当日の感想も含めて現地滞在3時間半、帰りのバスで磐田駅着の約3時間、タブレットで調べた貴僧坊地区、姫之湯地区、伊豆市、伊東市周辺の情報もインプットした段階で書かせていただきます。

 修善寺から貴僧坊地区に向かうバスから見れた山々と森の木々がきれいに管理され、里山の樹木も保全されているように感じました。バスを降りてから歩いてみると、山からの水おそらく農業用水として使われているだろう細い水路が田畑やわさびに引き込まれていたり、湧水がわさび田を流れておりました。これらの流水の音は、生活のリズムなんだと思いました。
 第2会場の貴僧坊水神社の隣りのわさび田と湧水を見たら、確信出来ました。この水は神々からの賜りものであり、古来、神社を山里の人達が大切に御守りしてきたのだと。

 少し、貴僧坊から離れます。私は1980年代に長野県戸隠村(現在の長野市)で、友人たちと毎年、8月の一週間キャンプを楽しんでいました朝食後は、戸隠神社の中社、奥社、植物園、村内を歩き回り、お昼は蕎麦屋を訪ねて食し、夜はベースキャンプの共有スペースで、黒姫の肉屋さんで購入出来た豚肉を揚げて、カツ丼をつくったこともありました。
 何の話かと、言いますと、この80年代に、この黒姫の地にC.W.ニコルさんが移住され、当時の国有林を再生されるのです。その頃から、ニコルさんに興味を抱きました。まだネットもHPも無い時代なので、書かれた物を読むしかない状況でした。貴僧坊から帰ってから拙宅の蔵書を読み返してみました。

「森は一度人が関われば、ずっと関わり続けなければならないのに、日本人が関わらないのは、なぜだ?」「森は水の母です。水は笑いながら流れる。だから、自然の小川を再現する」「人が植えた木は、ずっと育てなければいけない」。40年前は、何となく目にしていた、ニコルさんの言葉の数々!2023年9月30日に、伊豆市貴僧坊の地で思い出すとは。この視察研修を教えていただき、お誘いいただき、本当にありがとうございました。

 今回、湖西市新居町に滞在していただいた旅人さん達は、南浜名湖とか、現在の新居弁天地区、新弁天地区をスケッチ画又は写真画像で取り上げていただきました。こちらも水辺、「水」です。何という出会いだったのでしょうか。いろいろ、カルチャーショックの10月になりました。近い将来、この新居の地で私個人、そして新居まちネットなりに何か動き出せるのだろうか?考えてみます。

NPO新居まちネット 理事 山口識行



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