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早渕仁美「雨の音がする。出かけよう。(2日目)」

こんにちは、東伊豆稲取を旅している早渕仁美です。

10/9(月)
滞在2日目は完全フリータイム。朝から普通に台風めの雨、風。それでも出かけるのが旅人。
海が荒れているけど、テレビもラジオもない生活では近付いてはいけませんというアナウンスは流れていなくて、今日一日荒々しい海と対峙するばかりだった。

さて、歩き出して休日のみ開催の稲取港の朝一へ。
野菜、果物、飲食、手作りの小物などのお店があって、2周くらい吟味したところで、噂の金目鯛釜飯の列に並ぶ。

釜飯一つ¥700で、お味噌汁食べ放題。釜飯なのに超早く渡してくれる。奥ですでにいっぱい炊いてる。
風除けは自分で持ってきてやるの。
火が消えたらほら、これですよ。美味しいのは、食べる前からわかってたよ。
このお味噌汁。知らん具が入ってて気になった。芋の茎っぽいけど初めての感じ。いっぱい穴が空いてて味が染み込んでる。
そうこうしてたら、野菜を売ってたおばさまが台にどーん。これやー、これが入ってたーー。そして子供たちがトトロ〜って期待通りの遊びを始める。
お客さんも居なくなったところで、下ごしらえが始まる。私に説明してくれる以外は、何の会話のやり取りもない。段取りは沈黙とともに進むのだ。
葉っぱを落とした茎の端っこから表面の筋を取り、下にすーっと剥いていく。そしていい大きさに切り揃える。
サラダとか生でもいけるよ〜ってくれた。しゃりしゃりしてえぐみもなく、そのままだとほぼ味もない。

このでかい茎は、ハスガラとかイモガラっていうらしい。
もう季節も終わりで、暖かいところで採られる野菜で、この辺では山の方にあるかなって教えてくれた。お味噌汁は季節によって野菜が変わるのだ。

近くにある「なぶらとと」稲取キンメ専門のご飯屋さんの出店だった。
朝一の一角に、火のついた釜飯が並び、横にしゃもじが束で置いてあって、魚を網で焼きながら、時々出しっぱなしの蛇口の下で洗い物をする。お客さんには何となくの場所に列をなしてもらって、お代を受け取り釜飯を渡してお味噌汁をよそってもらい、程よく木材で作られた机に座ってもらう。

かっこいい。
置かれた道具や食材と、作業の流れ。
朝一の全体が、かっこいい人たちで稼働していた。


「いらっしゃい」
「これください」
の間に。


市場を出たら、また荒れた海がいる。
その沿いを歩いて、神社と灯台を目指した。
そこからの景色と自身の中で浮かんだことは、あまりに刺激的すぎて、ちょっと泣いた。これはまた、じっくりと記していきたいな。引き続き毎日見える海を手がかりに。

ところで、昨日今日と少し荒れた天候。
でもよかったと感じていて。稲取のことを強風が叩きつけてくるみたいに、道の笹がガサガサ言ってきた。そんな笹の一面もあるよね。

追伸:
宿に戻ってたまたま旅人仲間のMikamiさんと会って、びっくりするくらい立ち話してしまった。それがまたいい立ち話で。たぶん3時間近く?温泉であったまったのにすみませんという気持ちと感謝の気持ちと。何となく、よかったら実家の新米送ります。
もう一人の旅仲間あまるさんには今日お会いしていないけど、Mikamiさんの目撃エピソードで存在を感じたり。稲取、一緒に旅してるんですね。

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