Yoko Ichikawa「海で考える(4日目)」
私のキャリアはおそらく他のアーティストの方と比べて(おそらく)特殊だと思われる。学生時代に美術史に情熱を注いだ後、就職後は地方創生や教育関連のプロジェクトに携わる機会が多く、イベント/プロジェクトマネージャーとしてキャリアを積んできた。
現在はアーティスト兼アートディレクターという肩書きだが、イベントの企画運営からプロジェクトマネジメント、デザインおよび制作管理までやるので、最近は「何でも屋」だと思っている。インプットを終えたらアウトプットしたくなるのは、ある意味で職業病なのかもしれない。
4日目は、自転車で気になったところを巡った。御前崎はとにかく坂が多い。地元の方によると居住エリアを「上」「下」と呼ぶとお聞きしたが、その理由がよくわかった。2日目に伺った池宮神社は山の中腹にあり、自転車で行くのは一苦労だった。
昨日の浜岡砂丘もそうだが、初めて訪れた時の感覚と、再び同じ場所に訪れた時の気持ちはまるで違う。昨日、深掘りツアーに連れて行ってくださったミキさんは「旅は忘れ物がある方がいい」とおっしゃっていたが、趣味の御朱印とおみくじを忘れていたので、早速チャレンジ。だが、神社前のお土産屋さんに寄るのを忘れてしまった。忘れないようにしても何かしら忘れてしまうのが旅の醍醐味なのかもしれない。
土地柄のせいか神社仏閣が多いため、道すがら色んな場所に立ち寄った。建物のモチーフが龍神であったりすると「池宮神社の神様かな?」と考えたり「これは武田ゆかりの何かでは…」などと思うことが増えた。何も知らなかった初日から比べたら進歩したなと思う。
最後は素敵なカフェでひたすら地域 x アートを考える時間に費やした。実務者とアーティストの二つの視点で考えようとすると、右脳と左脳をフル回転させるので(あくまで感覚)とにかく甘いものが欲しくなる。
明日はホストの皆さんとの意見交換会なので、少しでも地域のためのヒントになることが見つかればなと思いながらペンを走らせた。