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早渕仁美「ずっと場所探しとか、歩くとか。(7日目)」

10/14(土)

私は懲りずに地図や観光情報には載っていない、稲取に関わった人が持っている「場所」を集めている。海、湾、家、道。場所はいつもそこにある。その人の人生の中であるとき出会った「場所」を探しにいく。
お察しの通り、取材した人たちが沢山いいお話をしてくださったり、その後でその場所を探したりするので、その日のnoteに載せきれずに時系列が少々混乱しております。

こちらはダイロクキッチン。シェアキッチンとして地元の方が交代でお店をしている、すんばらしい場所である。ここにお邪魔した日(10/12)は、渡邉桂子さんのカフェ。美味しい栗のケーキとハーブティをいただいた。

クッキーも。

渡邉さんは長く海外に住まれていて、稲取に移住してきた方。住んでいた海外のお店は甘いお菓子が多いから、お自身で好きなお菓子を作るようになってお菓子作りを覚えたそう。山の方にあるマンションからいつも歩いてきてカフェをする。
お話ししていたら、お友達の太田美智子さんがご来店。吊るし飾りの華の会の方。町の役を色々引退したけど、まだ少し役をこなされているそう。頼りになる方はなかなか役から引退させてもらえないよね、と思った。

渡邊さん(右)と太田さん(左)

お二人に例の「場所」を聞いたら、やはり海が出てきた。温泉旅館の向こうに、誰かが個人で作られた鯨の尻尾のオブジェがあって、そこにベンチがある。そこからの眺めや、朝日はすごいよ、と。地元の人が集まってお茶したりするくらいに、地元のみんなが知ってる場所だよって教えてくれた。
よし、鯨の尻尾のオブジェ、ベンチ、お不動尊の途中、徳造丸の下、そのヒントを念頭に、探しに行こう。
10/13(金)にレンタルチャリを手に入れて、探しに出かけた。

迷った。

どこ?!ヒント使い果たしたよ!

と、思っていたら不自然な場所にチャリでいた私に地元のご夫婦が話しかけてくれた。
「珍しいね」
「あ、迷いまして、鯨の尻尾を探してるんですが」
「あーはいはい、ちょっとこの先冒険だけど大丈夫?」
「大丈夫です!」
「そしたらここをこういって‥‥川も渡るけど、まあ、石段を渡って‥」
「ありがとうございます!」
「で、踏切があるから、○分の電車に気をつけて。あ、今通ったのが○分のやつね。次のは右から来るから。」
「(時刻表を常に持ってるんだ‥)気をつけます!」
「はい、じゃあがんばって!」

ここからスタート
冒険。
踏切!
通過時刻を聞いていたので確認しながら安心して通過
え、これ入ってええの?
畑を抜けると段々安心感のある景色に
あーいい感じー
これや!川渡るってやつ
それにしても綺麗
ずっと打ち寄せる波の音
石段の上をつたって渡る。なぜか途中、棒。
山の水が海に流れていく
夕暮れが近い
川を渡ると道が
海岸沿いを進む
あった!!!
尻尾だけじゃなくて色々ある!
徳造丸さんが作ったオブジェでした。

しばらくここで、景色を眺める。
音を立てて、すぐそこに打ち寄せる波。遠くに見える島々。夕暮れ時。

この頃はもう寒くて。寒さを感じながらベンチに座り、ひとときを過ごす。様々なひとときに、思いを馳せる。

さてさて、場所探しシリーズもここで区切り。
私はこの後、爆速で温泉に入り、レストランヤシさんでご飯を受け取り、ダイロクキッチンの交流会に向かったのだった。

最終日の朝は、細野高原で旅人仲間のあまるさんの大道芸を堪能。超楽しかったです。技もさることながら、楽しいトークとお客さんとの一体感。あまるさんとお客さんがいれば、どこでもこの空間が作られるんですね。
知ってる人も知らない人も、みんな笑ってた。

細野高原を降りた後、お世話になった人たちにご挨拶してまわった。一度高原まで乗せてくださったタクシーの運転手さんにも会えて、センブリの葉っぱを発見した報告もでき、センブリあるから引き続き探してくださいね、って言えて嬉しかった。
そして稲取のみなさんがまた来てねと言ってくださる。感謝の気持ちでいっぱいです。また来ます〜〜!

旅人のお二人、ありがとうございました。
滞在中の合間にお話しできたことや、お二人の活動は、濃厚な肥やしになってます。

ホストのみなさん、現地への橋渡しをしてくださり、ありがとうございました。都心から電車で運ばれてきた私は、稲取のあらゆるものを浴びて帰ることになりました。みなさんがいる土地に出迎えてくださり、持ってきた感情とか考えとか、混ぜたり、置いたり、流したり、得たり、見つけたり、そんな感じで。嬉しかったです。

今回書ききれなかったことは、まとめにて。
稲取の道を少し覚えた。そういうのが嬉しい。


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