菅原康太「自己紹介長めからの(菊川市 滞在まとめ)」
こんにちは。菅原康太と申します。
私は普段、写真撮影や映像制作を生業としています。
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商業写真をベースに、写真や映像を介した過程やプロセスで生まれるコミュニケーションを大事にしながら、社会的関心ごとに写真や映像を使って様々なアプローチも試みています。
ここ数年の関心ごとは、「コミュニティ」や「市井の人々の生活のあり方」といったところです。
特にコロナ禍で、家族とともに過ごす時間が増えた中で、住んでいる地域との関わりが、ある世代以降希薄になっていることを感じたり、超少子高齢化社会を迎えようとしている中で、どのような社会になっていくのかというのは、子育て世代としても大いに関心を寄せるところです。
そんな中、横浜市旭区の左近山団地という500戸もあるマンモス団地で住民の方々のポートレート撮影会を企画し、定期的に団地に通い、改まって写真を撮られるという体験を提供、また同団地内のカフェアトリエで撮影した写真を展示する写真展を行いました。
現在でもゆるりと活動は続けており、インスタグラム @sakonyama_studio で発信をしていますのでフォローいただけると幸いです。
この写真展が好評をいただき、その後横浜市役所で巡回展を行いましたが、
ちょうどその写真展の会期中に、MAWで東伊豆稲取に滞在していました。
MAW2022 伊豆稲取滞在まとめ
滞在中は全く考えもしなかったのですが、この時のホストである合同会社SO-ANの荒武さんとその後色々と交流を持たせていただく中で、
左近山のプロジェクトに共感をいただいたことから、伊豆稲取でも「稲取とわたし」と題したプロジェクトが始まろうとしています。こちらの活動はインスタグラム @kazemachi_studio にて発信していく予定です。
というわけで、自身の活動と昨年のMAWが良いタイミングで良いご縁が生まれたわけですが、欲を出して(何の欲だかわかりませんが)今年もエントリーしたところ、菊川市に滞在が決まったという流れです。
(ここまで長かった)
さて本題。
ホストは「NPO法人せんがまち棚田倶楽部」さん。棚田を中心に町を案内していただきました。
私も行くまで知らなかった「菊川」という町の位置関係を載せておきます。
静岡と浜松のちょうど真ん中あたり。掛川、牧之原、御前崎、島田などの市に囲まれたとっても小さな市です。実はマップで観光名所を検索して行こうとすると市外になってしまう、ということがたびたびあったことを記しておきます。
菊川市エリアマップ。駅前はあまり賑やかでなく、住宅街。インターチェンジ周辺の方が栄えている印象。基本車移動の、郊外の町という感じです。
事前に聞いていた通り、菊川の市街地をまわっていて、人と話すと必ず「菊川には何にもないよ」といわれたので、それならと何にもない町らしく、市が作ったコワーキングスペースでPC作業してみたり、図書館で調べ物をしたり、美味しい洋菓子屋さんや和菓子屋さんで糖分を摂取したり、川沿いをサイクリングしたりしてみました。パンフレットに載っていた史跡や神社仏閣などは、もし興味が湧いたら行こうと思っていたのですが、結局行きませんでした。旅人だからといって必ず行かなくてもいいかなと思ったのと、それよりも普通に暮らしているようにしてみたいと思いました。(普通って何だろう)
そうこうしていたら3日目あたり、人に会いたくなったので、棚田に行ってドローンを飛ばして遊んでみました。
そんなまるで仕事少なめの日常みたいな日々を過ごして、菊川の「生活しやすさ」を満喫したわけですが、観光っていうのは「一度訪れれば良い」というものであって、それよりも重要なのは地域の本当の魅力を地域の人が自覚し育てていくとこにあると思っているので、そういう意味でこの町はポテンシャル高めだと思います。棚田の稲刈りで初日に参加された人の数やその内容から言っても素晴らしい関係性とイベント性がありました。ここまで活動を続けられたことに敬意しかありません。
とにかく棚田というフィールド自体がアート的でした。
なぜ多くの人が棚田に魅力を感じるのか。
やはりこの棚田という場所にこれまで関わってこられた方々の生活や未来への想いが集積されているからかもしれません。
生活や想いの集積というのは即ち歴史であり文化です。
この歴史的・文化的なフィールドで人の営みである「食」を作り出す行為というのは、とてもクリエイティブでワクワクします。
そして自然や先代の知恵に触れることで学びがあります。
棚田で子供たちが無邪気に遊んでいる時の楽しそうな顔をみて幸せな気持ちになりました。外で食べるご飯は最高でした。もうそれが全て。
みなさん、温かく迎えていただきありがとうございました。
水を張った時にでも美しい棚田と素敵なみなさんに会いにまた訪れたいなと思います。
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