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家族に内緒で熱海城と秘宝館に行った

18歳以下の閲覧はおすすめしません。


 突然だが、わたしの家はあまり下ネタを話さない。みんなそれぞれ確かに笑いをしたためてはいるが、「笑ってはいけない」という空気がなんとなくそこには存在するのだ。気まずいことだってあったが、触れないという暗黙の了解がある。しかしわたしは正直に言って上品な話も下品な話も好んで聞くし、後者はたまに話す。
 だから、美術館にはるばる足を伸ばす行動ができるならどんなところでも行けるというものだ。

 熱海秘宝館に行ってみたい。

 そう思っていたのはずっとずっと前からだった。そして、自分の推しがそこに行った。いきいきとした表情、声で伝えてくれる配信はジリジリと胸を焦がした。

 しかし決起となる出来事はそれとは別に、不意に訪れる。

 母と兄が二人で熱海へ行ったのだ。

 熱海といえば熱海秘宝館、と決して下ネタが好きとかじゃなく(言い訳)そういったアミューズメントが好きなわたしはそれとなく聞いてみた。こういうときは外堀から情報を埋めるのが要だ。熱海秘宝館ではなく、熱海城からそれとなく現地の雰囲気を掴もうと考えた。

「熱海って熱海城とかあるんだよね? 行ったの?」
「ううん、行ってない。だってあそこらへんは、ねぇ?」

そう言った母は明らかに熱海秘宝館を意識している。熱海城そのものは観光施設なので全く卑猥ではない。厳密に言えば熱海城の中に春画展が存在している。しかしそれを知らぬふりで聞いてみた。

「というか駅前に売春婦かなって人居たわ」
「え、あれそうなのかな?」

母と兄がセンシティブな会話で盛り上がる中、熱海城エリアの観光リーフレットを見てみたわたしは「春画、…あー、なるほど。そういう感じか。行かない方がいいかもね」と春画の存在を知っていることだけ述べて会話の参加を控えた。普段から国を問わず美術の展示を見ているのは家族にも知られているので「春画の存在を知っている」くらいなら怪しまれない。内密に動くならこれ以上の詮索はやめた方が吉だろう。

 そして、行きたいという気持ちを悟られないためには自分のこの欲求をすぐに解消するのが良い。いかんせん、わたしは顔に出やすい人間だ。丁度明後日は休日、家族が旅行帰りならば誰も電車は使うまい。

 さて、わたしの住んでいる場所は北関東、栃木県である。一方の熱海は静岡県。移動にかなりの時間を要するのは想像に安易だろう。そして、移動時間は覚悟の上だ。早起きをする必要がある。当日は5時に起きて、そして友人に会いたいので友人の下へ6時ぐらいまでには熱海とは反対方向の電車に乗り継いで着きたいと考えた。
 JRにはのんびりホリデーパスというSuica版の休日おでかけパスが存在し、北関東某駅から小田原駅まではそのパスで賄うことができる。しかし小田原駅から熱海駅は電車賃をまた支払わなければならない。ダルいのでICカードで一括に手続きしてもらおうと考えた。


*


 そして当日。母が寝ている。兄も寝ている。しかし父は起きていた。こんな朝早くに行動するのは不審なのであらかじめ「友達の家に行ってくる」という嘘をつき家を出た。友達の家というのは悪魔の証明の必要を潰すためだ。これで熱海関連の物品を見ない限り家族は疑わないはずだ。

 ここまで読んでもらって理解できると思うが、筆者は家庭内ではかなり性に嫌悪を示していると思われている。実際はわりとそうでもない。下ネタはOK。そのイメージを壊さない方が家族が踏み入った話をしてこないという利点があるので厳重に事を進めた。

 そして。

電車を乗り継ぎ
ロープウェイ近くでバスを下車


退廃的な屋上の見えるロープウェイに乗る

 来た。来ることができた。

 しかし先走るのは良くない。秘宝館の受付の方に「熱海城も行かれますか」と言われ素直にそうですと答えると「先に行くのがおすすめですよ」と言われたので先に熱海城へ向かうことにした。日本刀や甲冑、貝殻で作った神輿などもあり下品でなくても面白かった。
 熱海城にも18歳未満の入れない展示があるのだ。それは前述した「春画展」だ。前に本物の春画の展示に行きそびれた人間にとってたとえ複製であったとしてもぜひ行ってみたいものだった。


感想

 葛飾北斎によりタコ×人間女性の触手姦が生み出されていた。実はこの春画をラブドールの展示でもモチーフとして見たので、やっぱえっちだし犯されてる海女が特別気持ちよさそうによがってていいよなぁという感想を持った。文章がすけべ。欲望のままに吸うタコもいっぱい吸われちゃう女性も幸せそう。wikiで文章が載ってます。
 本来服に隠れて見えないはずの女性器と男性器の結合部を、服を透けさせることにより表現している作品があった。エロ漫画によくあるその表現って春画からあったんだ。
 軒並み出てくる男性器が血管浮いてバッキバキだった。これ現実だったらもはや痛いかもしれんってレベル。当時の男性は大きくて猛々しい男性器に憧れていたのだろうか。

 思っていたよりも収穫があった気がする。生まれてこの方春画の表現をまじまじと見ることはあまりなかったのだ。できれば実物も見てみたい。また展覧会で春画展があれば行きたい。

熱海城のゲーセン 熱海城のチケット持ってるなら無料でできた。LOVEずっきゅんは太鼓の達人14にしか収録されていない。


 さて、次は秘宝館である。
 わたしは熱海城からきたので、秘宝館の裏から入ることになる。秘宝館の裏にはオブジェが飾られている。

全裸の人魚がいる

 人魚って下半身服着てないから実質全裸なのかとか、そういうんじゃなく皮膚が鱗になる境目がニーハイなんよ。ほんで肩から腕にかけての造形めちゃくちゃきれいだな。

 秘宝館に再び入り、受付前なら写真撮影可能とのことで撮ってきた。

よくみたら乱交してる
よくみたら透けてる

 予測できない子どもの侵入を一瞬で食い止めれば行ける。まだ行ける。昭和なら全年齢なのかも。



 熱海秘宝館に入っていきます(ここからネタバレ)。

(正直行ってほしいので自分の好きな部分だけのレポにします。行ったのは1ヶ月以上前なので記憶違いの可能性があります。)


 障子から誰かがいるようなシルエットが現れている。おみくじ一回100円。そう書かれているので100円を入れると障子がバッと開き人が現れる。「こんなん出ましたぁ〜」と言い丸い紙が転がってくる。言い方ゆるいな。

そのまま巫女が振り返り戻っていった。

!?

ちゃんと服を着ていたはずの巫女。


おしり丸だしなのである。


 困惑していたが次のお客さんはげらげら笑っていた。なるほど、秘宝館とはこういうものなのだ。初手から軽い下ネタユーモアで出迎えられた。



 性に関する展示も多くあり、布製で避妊率が不明瞭なコンドームや木製のテンガのようなもの、また木製のディルド、そしてレズカップル向けの現代で言う双頭ディルドが展示されていた。
 ここ、民俗学好きなので良かった。あっても花魁や風俗くらいで、当時の人たちの日々の夜の営みが分かる機会は少ないのだ。


 「覗いてみてね」という展示があり、竹柵に穴が空いている。なにかと思い覗いてみると…。

あっ

女湯だ

ビュオッッッッッッ

驚いて思わず短い悲鳴をあげた。ガラス越しに正面から水が鉄砲の如き勢いで飛んできたのだ。「ごめんなさいねぇ」と冷笑とも言える乾いた笑いを向ける女性。そうだ。そういえば自分が女性だからあまり気づいてなかったけど女湯覗くっていけないことだった。

 秘宝館には覗きの系統の仕掛けが多くあり、覗くことで映像を見れるという仕掛けがあった。覗くとこちらを誘惑する女性。思ってたより乗り気だ。覗いてるのこっちっすけどいいんすか。「いいわよ♡」と言ってスカートを脱ぎこちらにお尻を向け突き出してくる。
 出てくる映像は5種類ほど用意されている。もし行ったら全部見てってや。

 前述したようにラブドールの展示を見たことがある。そこはオリエント工業という会社で、そのラブドールも展示されていた。見目麗しいラブドールが座っているが、仕掛けを動かすと裏のクローゼットが開くようになっている。そこには、たくさんの女性用マスタベーション器具 男性器を模したディルドなどおもちゃが多く置かれていた。正直頭がくらくらするくらいこれ好き。なんか生々しい。ラブドールとどう交わるのかその下準備すら知っているし、髪の毛や肌、体勢の手入れもかなり気を遣うことやラブドール本体の値段を知っているのでこの展示にどれほどの熱意をかけたのかが手に取るように分かる。あとラブドールの肌の質感も知ってる。もっちもちなんだろうなこの子も。

 他にも、仕掛けが動くスイッチがぜんぶ乳の形をしておりボタンが乳首だったり、ハンドルを回すための取手が男性器と女性器(握りやすいように女性器を見せるよう突き出したお尻)だったりと細かいところで下の配慮をしていた。下の配慮ってなに?

 あと多分なんだけどマジの性行為が密かに行われないためかトイレはない。先にトイレを済ませておくのをおすすめします。女性としては施設内にトイレがないの安心しました。
 行ったら分かることなのですがQRコードの類は読み込んでも期限切れで反応しません。ウィルスサイトにアクセスされる危険があるのでお気をつけください。

 場所が場所だからか、売店ではバイブやディルドが置かれていた。実際にそれらを多く置いている専門店などに行ったことはないのだがこれよりももっとすごいのだろうか。

 一通り楽しみ秘宝館を出た。
 その後は熱海プリンを買って渡すために友人に会いに行った。


秘宝館から出てすぐ、あいじょう岬から見える海


 きれい。

 この海の中でも海の生物たちが交尾してるんだろうな。

おわり


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