気がついたときからずっと自分の姿かたちが受け入れられずにいる。修学旅行の大浴場に入りたくなかった。プールの授業前の更衣室が嫌だった。怖くて自分から茶化して見せることしか出来なかった。身体に管が入った痕、身体を開かれた痕、できたときの事はなにひとつ覚えていないのに一生消えてくれない痕があり、20年経った今でも痛むというのは不思議。布に隠れ自分にしか見えないそのひとつひとつが毎日嫌でも目に入り綺麗な身体ってなんだろうというどうしようもない気持ちに取り憑かれている。生きているだけでその存在すべてがうつくしいと、人に対しては心の底から思うのに、自分に対しては一度も思ったことがないのはなぜ。褒められたいとかではなくただただ自分の身体を許されたい、このかたちを受け入れられたいという欲求が消えないが、この身体を許さないのは自分だけなのも分かっている