再会と別れ
ワールドツアーが終わり1年の月日が経ち
次の公演に向けてのレッスンが始まっていた。
この日のレッスンが終わり、自由時間になったジニーは気分転換にと思い街で散歩をしていた。
「すごく綺麗な鳩さんだね…」
ふと、街中に流れている川の橋に1匹の小さな白い鳩が目にとまった。だが、通行人は橋に鳩がいる事さえ気づいていない様子だった。
疑問に思いながら少し離れた位置から足を止めて白い鳩を眺めていると、鳩がジニーに目を合わせた後、誘うかのように一度視線を別の方向に向けてゆっくり飛び始めた。
「付いてきて欲しいのかな…?」
ジニーは何故か鳩の伝えたい事が分かり、ジニーは導かれるように飛んでいく鳩を追いかけた。
しばらくすると少し街中から離れた墓所にたどり着いた。
「ここって、教会の墓所…?どうしてここに…」
中に入っていくと先程の白い鳩があるお墓の上にとまっていた。お墓を覗くと前にはお花とジニーのサインが入った本が置いてあった。この本には何故か見覚えがあった。ふと…その本を手に取ろうとした時に…
「もしかして、ルミナスウィッチーズのジニーさん…?」
声がした方を向くと、そこには先程までお墓参りをしてきたであろう1人の女性が声をかけてきていた。
「そ、そうです!」
「あっ…、いきなりで驚かれたましたよね、この子、シェリーの母親です。この子のお墓の前にいたものですから…」
唐突に声掛けられた事に驚いていたジニーは返事をしたのだが1つ返事となってしまったのを後悔した。
まずは自己紹介と思い、自分が誰であるかを説明した。
ジニーも挨拶を返した後に、少しの沈黙が流れた後…
「ジニーさんは、どうしてここに…?」
本題に戻ろうとジニーが何故自分の娘のお墓の前にいたのかをジニーに問いかけた。
「えっと…この白い鳩さんに付いてきたというか…導かれて…」
何故ここまで来たのかは曖昧な言葉でしか説明出来なかった。
「鳩…?特に見えませんが…」
「えっ…?だけどさっきまで…ここに…」
先程まで止まっていた場所には鳩はいなかった。
「あの子が小さい時に白い鳩は飼っていた事はありましたけど…」
シェリーが小さい時に白い鳩を飼っていた事を思い出した。だがその白い鳩は随分前に亡くなっている。
「もしかしたら……あの子が大好きなジニーさんを命日の今日に連れてきてくれたのかもしれませんね」
「あの…もしかしてシェリーちゃんは……」
「去年のルミナスさんのツアー公演の一カ月後に持病が悪化してそのまま…」
よく覚えていた、去年のこの国で行った公演で病弱そうでありながらもいち早くジニーの元に駆け寄ってきて1冊の本にサインを求めてきた子を思い出した。そしてそのときサインした本がお墓の前に置いてある本である。
「あの日から毎日のようにルミナスウィッチーズさんのお話しをしたり、ジニーさんの事をずっと私に話してくれてました…」
ジニーのサインが入った本に視線を落とした後、娘の思い出を語るように思い出を語ってくれた。そしてその目からは涙が溢れていた。
「ジニーさん…本当にありがとうございました。元気の無かった娘にまた笑顔を見させてくれて…」
「此方こそ、あの時のシェリーちゃんの笑顔を見れて凄く元気付けられました…!」
ジニーは悲しい気持ちに推し負けそうになるが涙を堪えて笑顔で返事をした。
「元気づけられたのかな……」
小さな声で呟いた。
病と戦うというのは想像を絶する辛さである。一時的でも私達の歌と音楽で元気付けらたかなと思い伏せた後、お墓の前に屈んで、祈りを捧げた。
その後、送る歌として《Amazing Grace》をジニーは歌った。精一杯の感謝気持ちを込めて…
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私が実際に見た夢とルミナス世界観に沿ってストーリーに変えて描かせて頂きました。
実際の夢は私が動物(何かが覚えない)に導かれていくとそこには行方不明になっていた友達のお墓がありました。
その時の感動…気持ちを忘れられず、お話ししました。
ここでは白い鳩にさせて頂きましたが、キリスト教では鳩は平和、霊魂、精霊の意味がございます。
ですので、白い鳩が精霊となり命日にお墓に連れてきたというお話しです。
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