最終テストで地雷を踏んでしまった男性の話?小松未歩さんの『向日葵の小径』
灼熱の8月も終わり、幾分気温が穏やかになってきた今日このごろ。
皆様如何お過ごしでしょうか?
さて今回は小松未歩さんの8thアルバムにも収録されている『向日葵の小径』の歌詞で語っていきます。
この『向日葵の小径』は忘れられない恋のお話です。冒頭
ひとつ前の駅まで 引き返してみたけど
遠く澄んだ空に 風をただ見ただけ
向日葵の小径を 一人歩いた
あの頃と同じ景色が 少し痛くて
とあります。
雰囲気出してますね。
あの思い出の向日葵の咲く場所へ。
遠く澄んだ空に 風をただ見ただけ、というのはざっくり言えば空を見上げてます。なんでか。泣かないため。
あの頃と同じ景色が少し痛い。泣きそう。でも泣かない。意地と言えば意地。向日葵に似た自分に涙は似合わないと思っているのかもしれません。
話は逸れますが、小松未歩さんの曲の主人公て涙に抗うと言うかあからさまに泣くのを嫌う人が少なくないですね。
雲を眺めて涙乾かしたり、こんな泣き虫は嫌いでしょと言ったり、挙げ句にどうしても泣きたい時は泣けばいいんだよと相手に言われる始末。
もっともその分一人になったら思い切り泣きますね。膝抱えて、涙枯れるまで。
風を見ただけという歌詞はこの主人公に風を可視化する特殊な能力がある、というのではないということです。
別の曲でそよ風に話す主人公がいますがこちらも特殊能力ではありません。
で、1番の残りの歌詞です
「綺麗だ」とつぶやく
あなたの声が 今にもしそうで
この場所を動けない まだ愛してる
あの頃と同じ景色が主人公に痛みと同時に詳細な記憶を呼び戻します。そしてまだ愛してる。そう改めて思い知らされるわけです。
ちょっと悪い言い方をすると記憶に縛られてますね。多分ですが「綺麗だ」とつぶやくあなたの声てかなり美化されてると思います。
景色を見て「綺麗だ」とつぶやく。
全くもって個人的な感想ですが、なーんだかクサイ。こんな男いるかな?と思っちゃいます。
なので景色を見て主人公に「綺麗だね〜」と軽く同意を示した程度だったのではないかと思ってます。
まあ思い出てそんなもんですよね。
と1番の歌詞をざっと見ました。2番の前半も過去の思い出を振り返る言葉が並びます。基本的には文句は言いませんがいくつか突っ込みたいところがあります。
向日葵はどんな時も 太陽へと伸びてく
そこが私に似て
「好きだ」と言ってくれた
それは あなたが居て 照らしてたから
これ、主人公にとってはハッピーエピソードなのでしょうが、私はちょっと引っかかります。
あなたという太陽へ向かっていく主人公。
「好きだ」と言われたのを良いことに太陽に行き過ぎたのではないか。
主人公てウザかったの(別れの一因)ではないかという疑惑が私の中に芽生えていますがどうでしょうか。
では続きです。
世界が震えるほどに
愛を叫べた
影ぼうしが揺れる 歩道も 今じゃ
まともに見れない
容赦ない 哀しみが 滲ませるの
愛を叫べた。
まあ実際は叫んではいないでしょうがね。すぐに世界規模にしちゃうんだから。私の主人公ウザイ説を肯定してくれてるようです。
あとは「影ぼうし」です。細かなことですが結構気になるワード。向日葵や小径は漢字で表記しておきながら影法師ではなく「影ぼうし」
なぜ?屁理屈をこねるとしたら主人公は帽子を被っでいて風で揺れている。
風で「帽子」とその影そして影「法師」が揺れていてどっちにも取れるようにしたのかな?と。
では最後の歌詞にいきます。
向日葵の小径を 二人 歩いた
あの頃は もう戻らない
分かっているけど
「綺麗だ」とつぶやく あなたの声が
心に響いて
この場所を動けない まだ愛してる
結局最後まで過去の愛に縛られてますね。
向日葵に似てると言われた頃の主人公とはまるで違う感じです。
確かに今も向日葵に似てはいるけど、過去の眩しかった頃の記憶にしか心が向いてない、動けないとこが向日葵な状態です。
小径には向日葵が咲き誇っているけど太陽を失った主人公は枯れてしまってる。このコントラストがなんとも物悲しいですね。
主人公にとって新たな太陽が見つかる日が来るのでしょうか。
最後に。これはかなり捻くれた解釈ですが
向日葵の小径を二人歩いた に関して実は主人公の向日葵さんはあらたな太陽を探していてここで言う二人は「あなた」とは別の人の可能性もあるのかな?と。
もののたとえなので真意は掴みかねますが向日葵に似てるとなると元気で明るくくよくよしなさそうなイメージです。
となると案外この向日葵さんは新たな太陽との出会いを積極的に求めているなか、良き太陽候補と出会えたと思ったら男性に連れてかれたのが思い出の地である向日葵の小径。そこで思い知らされた「まだ愛してる」「動けない」私。
そんなストーリーもありかな、と思いますがいかがでしょうか?
今回もお付き合い頂きありがとうございます。
9月20日(火)22:30〜 行われます小松未歩さんの曲で語り合う企画「向日葵ナイト」でこの記事をもとにイロイロ話します。
ではまた次回お会いしましょう!
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