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やってくれたな「あの子」!小松未歩さんの『さよならのかけら』

今年ももう最終月。冷え込みも冬のそれになってます。
 そんな12月もやります。小松未歩さんのひとつの曲で一時間語るラジオ企画。今回は久しぶりのシングル曲であり、結構な大ネタです。

 さよならのかけら

小松未歩さんの7枚目のシングル曲。
 初期のシングル曲には人気曲は多いのですが、この曲は発売時期にしても歌詞、曲の雰囲気も初期よりもかなり中期寄りな作風で、なんとなく小松未歩曲を一通り聴いたファンからの支持が厚い印象があります。
 なので、手を抜けないというか心して語らないといけないな、と思う次第です。
 とはいっても私自身の軽薄さは変わらないのでいつも通りのお気楽な解釈記事になりますがお付き合い頂けたらと思います。

前提とセリフの捉え方
 まずこの曲における登場人物ならびに、歌詞における言葉や言動が誰によるものかを整理します。



登場人物(3人) 君 僕 あの子
これはまあ簡単ですね。

 そして基本的に『さよならのかけら』は誰の目線で書かれているかというと、私の解釈では「君」です。
 言い換えれば主人公は「君」という女性です。さよならのかけらを蹴飛ばそうとしたり、未来へ走ろうとしたり、ピアスを指で探ったり、あの子と友達になろうとしたりする担当です。
 では「僕」はというと実は出番が少なく、さよならのかけらを蹴飛ばそうとした主人公からいきなり別れ告げられ「なぜ君はいくの」と言うだけです。あとはさり気なくカバンを持つだけの簡単な役割です。
 あの子は「君」と別れてから「僕」の彼女になった人。


上記の理解のうえでの『さよならのかけら』解釈となります。
 そのうえで、ざっくり主人公目線でストーリー展開をしていくと。

①もう会えない、と言われた。
②別れを決意し、付き合い始めたタイミングで着けたピアスを外してポケットに入れた。別れたら捨てるつもり。
③案外コインで決めるように簡単に別れられるものなのね
④さよならのかけら蹴飛ばして未来へ走る!

一番はこんな感じです。で、二番に入ります。ちょっとだけ時間が進みます。

⑤街でカバン持っていた「僕」を目撃
⑥もうすっかり「あの子」の彼氏になっちゃったね…。
⑦去来する色んな想いはあるけど…。ヨリ戻せないの、どんなにあがいても…
⑧あの子と友達になる!

実はこの展開、自分で書きながらおかしな点があります。

 ①もう会えない、と言われた。なのですがこれは誰が主人公である「君」に言ったのか。反射的に「僕」だと思いますよね。ただそうなると別れの原因となる言葉を放った「僕」が「なぜ君は行くの」と困惑するのはどうなのでしょうか?
 冗談のつもりで言ったにしても自分の放った言葉のもたらした結果に自覚無さすぎます。「僕」はそんなこと言ってない、くらいじゃないと「なぜ君は行くの」というセリフにはならないと思います。

じゃあ私がここまで書いてきたストーリーは最初からやり直さなければならないのか、と心配になりましたがここでひとつの隠された物語が存在します。それは…。

 「あの子」が「君」に仕掛けた罠 説

です。
 「僕」を奪い去るために「あの子」は邪魔な存在である「君」と接触していた、という展開です。
 そこで「あの子」が「君」に

「僕」はあなたに気がないから「もう会えない」て言ってるんです。だから別れてください!

そんなことを話した。
 当然これは「あの子」の嘘。
 だから「僕」には「君」からいきなり別れ話をされたことが青天の霹靂、急転直下の「なぜ?」になります。
 「できれば捨てぜりふ 投げかけて」においては「僕」から直接聞きたかったというニュアンスが出てくると思います。
 また二人の接触があると二番の「好みも趣味ももうあの子の匂い」がより確信めいたものとして響いてきます。

 そうなると今度はこの曲のいや、小松未歩曲における最強フレーズ

 あの子と友達になるわ

実はこれ「あの子」と戦うつもり、いうなれば宣戦布告になるのではないでしょうか。
 未来へ走る。二番のなかの「取り戻せないの どんなに足掻いても」は後ろ向きな感じなのがこの宣戦布告で「あの子」に立ち向かい取り返すという気概が見えて未来へ走る感じが出るかな、と思います。
 まあ、あまり喜んで見たいストーリーではないですが…。

最後に
ストーリーとしての解釈は今書いた通りですが、あとは細かい点での思うことの羅列です。

・ピアスは結局捨てられない。負けそうな時に触るお守りのような存在に。

ドアの外で凍えそうで〜。実際に外に出て凍えそうになっていそう。怖い。多分「あの子」も同じタイプ。

一番最後の「なぜ君は行くの」は友達として「あの子」に紹介されて登場した「君」が挨拶程度で去っていった背中に投げかけたものかな?と思ったり。

・今日見かけたよ、はお互い様で「僕」も「君」に気づいていただろうな。

私の『さよならのかけら』はこんな感じになります。
 お付き合い頂きありがとうございました。


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