マガジンのカバー画像

試し読み『悪い仲間 -Mara Junta-』

10
2023.10.8 開催 J.GARDEN54 新刊『悪い仲間 -Mara Junta-』試し読みです。 A6サイズ/本文132ページ/R18/イベント販売価格1000円 コミ…
運営しているクリエイター

#BL小説

試し読み1『悪い仲間 -Mala Junta-』

 ボカの青空市場は今日も賑やかだった。  野菜や果物の色彩が氾濫する中を、買い物客たちが…

北ミチノ
10か月前
2

試し読み2『悪い仲間 -Mala Junta-』

 あの時奴は、配下らしき数人と共に、飲み物の屋台の前で佇んでいた。行き交う女たちの色めい…

北ミチノ
10か月前

試し読み3『悪い仲間 -Mala Junta-』

「頼りになるお仲間は大勢いるだろう。なぜわざわざ俺に頼む?」 「うちの連中じゃ顔が知られ…

北ミチノ
10か月前

試し読み4『悪い仲間 -Mala Junta-』

「あんたのことを調べていく過程で、話はいろいろ聞いてきた。だいぶ大げさな尾ひれがついたも…

北ミチノ
10か月前

試し読み5『悪い仲間 -Mala Junta-』

 その日の晩にさっそく〈決行〉を決めた。「早い方がいいだろう?」と奴が言ってのけたからだ…

北ミチノ
10か月前

試し読み6『悪い仲間 -Mala Junta-』

 自分にしては早起きした日だった。  ルシアノは適当に着替えて住み家を出、裏通りを歩いて…

北ミチノ
10か月前

試し読み7『悪い仲間 -Mala Junta-』

「そうそう、フェデリコだがな、昨日来た時に話してくれたが、奴もついに〈エスパダ〉を抜けるってよ」  恋人が、自分の友人たちとの話に夢中になっているのを見計らい、マルコスは言った。 「いくら我慢強いあいつでも、ついに辛抱できなくなったそうだ。ほら、先週、旧市街の娼館で騒ぎがあったろ」  その話なら小耳に挟んでいた。何でも、酔客が娼婦に絡み、口論の果てに女の頬を張って髪をひっ掴み、泣いて許しを請うたにも関わらず、壁に繰り返し顔面を打ちつけて大怪我を負わせたと。 「そのたちの悪い酔

試し読み8『悪い仲間 -Mala Junta-』

 週末の夜のことだった。  どこかの店からタンゴが流れてくる町角、裏通りのすり減った石畳…

北ミチノ
10か月前

試し読み9『悪い仲間 -Mala Junta-』

〈ガティート〉は、ルシアノが一人で営んでいる酒場だ。  店内はカウンターと、テーブル席が…

北ミチノ
10か月前

試し読み10(終)『悪い仲間 -Mala Junta-』

「タンゴが男同士の踊りだったのは、大昔の話だぞ」  ボカは移民の多い町だ。戦前、スペイン…

北ミチノ
10か月前