7月5日

たとえば、物事にはなにかしらの流行があったりするのだけれど、その流行の波が最高潮に達した時にこそ、そこに衰退していく原因が見えるようだ。その原因であふれかえっていたのが流行の最中なのだなと、ちょっと波が引き始めたような最近の一部のアートシーンで感じている。

流行の中で駆逐されず、そこに残ろうとするならば、いや、さらに前向きに進もうとするならば、オーディエンスの顔を見るのではなく・・・つまりはある種の成功は、オーディエンスの顔色を見ることでも達成できるのだ・・・自分の奥深くを今再び見なければいけない。それは独りよがりなものではなく、客観視された自我でもって明確な志向を伴わなければならない。流行に沿い続けるような、オーディエンスへの代償行為であってはいけないのだ。アートシーンにおいて、オーディエンスが求めるものを形作るのではなく、常に作品自体の志向性がオーディエンスを作っていかなければ進歩はなく、衰退が待っているだけだ。

いろんなキーワードによる追随や、オーディエンスが望むトレードマークこそが、創造する心に入り込んでくる敵なのだ。ただただ自己と対話し『前夜』の状態の中で、制作していたい・・・自分が思うところの才能とは、そういう努力を続けることができるかどうかなのだろう。

波が去った後で、僕はまだその浜にこの両の足で立っているのだろうか。

・・・たぶん、流されてるだろうなぁ~~~と、心の声が聞こえてくるのが嫌だな~!

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