11月21日 ARASHI "Scene"~君と僕の見ている風景

 東京ドーム自体が初体験だった。幸運にも招待されていた自分は、メインステージのまん前、そこからせり出す花道の付け根という席に案内される。上の方から俯瞰するような席だと勝手に思っていたから、すごく驚いたのだけど、コンサートが始まった瞬間はもっと驚いた。嵐の5人が登場したときのドーム一杯の渦巻くような歓声。みんないっせいに立ち上がる。あっという間の一体感だ。一番前にいたためか、すぐに大野くんと目が合って、笑いながら指をさされる。彼とは時々会っていろんなことを話し合ったりしている仲なのだけど、こんな大きな会場でたくさんの人々に囲まれている姿を観るのは初めてだ。もちろん、テレビやDVDなんかで観たことはあるのだけど、まさに、嵐という国民的なグループの一人としてステージに立って、歌い踊る姿を観れることはすごく貴重な時間なのだと実感。

 嵐という5人組の一体感やコンビネーションの凄さは、コンサートの始めから終わりまで、コール&レスポンスと共にオーディエンスと一体になり、大きなうねりのように流れていく。その濃密な空気の中で行われる歌も踊りも、とにかく基礎を経て、練習があり、それを本番で活かせるという、本物のエンターテイメントというものだ。そして、ここまで行き着くのも簡単ではなかった、ということもよくわかるのだ。音響やライティング、水や火を使ったりする舞台のセッティング、劇的な演出、すべての関係者がプロ意識でもって最善を尽くしている。そこで行われるクオリティの高いパフォーマンス。しかしながら、ただそれだけではない楽しさという要素もこのコンサートの特徴だろう。5人が楽しんでいる様子が心に伝わり、こちらも楽しくなっていく。僕は今、こうしてわりと冷静に文にしているけれど、当日は何もかも忘れて舞台に引き込まれ、たくさんの人々と同じ時間を共有し、純粋に楽しんだ。たとえばロックのライブなどは今までに数え切れないほど体験し、感動したり力をもらったと思うし、忘れられないライブもいくつかある。けれども、今回の嵐のコンサートはちょっと感動の質・・・というか、力のもらい方が違うということに気がついた。僕がもらった力というのは、パフォーマンスした嵐5人からのみもらったものではないということだ。彼らとオーディエンスと一体となった場の空気から、その空間からもらった力と感動なのだ。コンサート終了後に主催者側から案内されて、5人に会った。彼らはとてもニコニコしていて、そこには全力でパフォーマンスした後の達成感とさらに進もうという意志があふれていた。本当に力をもらったし勉強にもなった。しかし、何を学んだのかはよくわからない。とにかく今までの自分にはなかったものだ。それをおしえてもらった気がする。ありがとう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?