2012年 12月20日

夏に横浜市美術館での個展がオープンしてから、ほとんど制作していないなぁ・・・でも、だらだらしていたわけではない。スタジオの整理から始まって、本棚と写真やドローイングの整理をしていた。というか、今もその作業は続行中だ。

スタジオを整理するだけではなく、本棚も新たに増やしたし、今まで自分が載った書籍や作ったグッズの整理もした。そういう作品ではないものたちに対して、ギャラリーはもちろん自分すらも正確に把握はしていない・・・たぶん、naoko.さんが一番正確に把握している気もするけれど、そういうことも自分で管理していかなければいけない気がしているのだ。いつまでも、人に頼っていてはいけない。今、少し不自由に感じていても、出来る限りの掃除をして、すべてが気持ちよく見渡せる空間を作るべし!

さも当然のように毎日を、いつもの店の暖簾をくぐり飲み食いしていてはいけないのだ。自分の存在は、そういうためにあるのではない。

それでも山から吹く風に、埃舞う街は少しは浄化されて、気持ちよい歌声が通りに響き渡るかもしれない。宴会の最中で、鼻とヨダレを垂らしながら気持ちよく酔っ払っていても、それに気づく者は幸いだ。

さて、山の向こうの北の国では、厳しい寒さと吹雪の中、どんな美しいメロディも聴き取るのは難しく、吹きつける風に舞って鉛色の空に吸い込まれていくのだが、愛すべき人々はそのメロディを、ラジオから垂れ流される音のように聴くのではなく、聴こえなくても感じることができるのだ。

錆び付いていく者は、動かなくなっていくこと自体に気づくことはなく、謙虚に笑いながらも自己顕示は忘れずに、関わりのある人々に向けて「僕は此処にいるよ!」と、キーボードを叩くのだろう・・・

僕は、此処にはいない。僕以外のみんなが思っている此処にはいない。誰もが知らない、自分すら知らない此処にいて、空虚に向かって発信する。誰もが知らない空虚に向かって、それを少しでも埋めるのが今生きている自分の役目だと無理にでも思い、僕は部屋を、スタジオを片付けて、どこまでも歩いていけるようにして、筆を取る用意をするのだ。

そして、「がんばる」という言葉を発することが嫌でたまらなかった自分だけれども、今は何度でも自分に向けて言うのだ。

「がんばるべし!」

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