ふるさと

♪ 福島に 福島に 福島に 置いてきたんだ僕は 本当の自分を ♪

と、猪苗代湖ズは歌っている。

そして僕は、映画『ブンミおじさんの森』にコメントを寄せた。

「あの懐かしい故郷に背を向けて一人で見ていたものが幻であり、
一見幻のような幼い頃の小さな共同体での記憶が、
逃れられないほど愛おしく、愛すべきものであるとおしえてくれる。」

僕は、生まれ育った遠いあの街に、本当の自分を置いてきていたのかもしれない。
なにか足りないような心の隙間を埋めるパーツは、生まれ育ったあの街、あの時代にある。

早く大人になりたくて、全てに急いでいた・・・割には、成長したのは外見だけだったな。

嗚呼、足りないパーツは、今ある現実のあの街のどこを探しても見つからない。
あの時代、あの空気、こんなにも遠く離れてしまった。

それでも、眼を閉じて、少しの間でも、じっと考えれば気がつくさ。

それは、頭の中の奥のほう、やっぱり自分の中にちゃんとあるはずだ。

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