ダイアンは上手に城咲仁に成りすましている
みなさんは城咲仁をご存じだろうか。
2005年ごろから1億円稼いだホストとして数多くのバラエティー番組に出演していたが、数年後突然テレビから姿を消した。
つい先日ABEMAからこんな特集が配信された。
【ドラマ降板騒動も】テレビから消えた?元カリスマホスト・城咲仁に密着…18歳で家出した中華料理店で働く理由【父と息子の絆】 https://abema.app/KBwj
今は通販番組に出演しながら、病気の父親が経営する中華料理屋の手伝いを一時的にしているようだ。
この番組の中で城咲仁は「2011年に出演するはずであったテレビドラマを降板させられたことでテレビ局と揉めた」「結局実力が通用していなかった」と発言しているが、果たして本当だろうか。
インタビュー動画での喋りは闊達で、芸能界に通用しないとは到底思えない。
表面上の言葉から隠された秘密があるに違いない。
城咲仁が消えた影に浮上する1組の芸人
ダイアンという芸人がいる。
ダイアンは左のユースケがボケ、右の津田がツッコミを担っている。
ボケのユースケは相方の津田をよくイジっているが、その中でも鉄板とされているのが、定員オーバー1人の高校を受験して津田だけ落ちた。というものだ。
ダイアンと比べて城咲仁はどうだろうか。
城咲仁がかつて出演していたバラエティ番組では、1億円を稼ぐホストとしての上から目線での話術だけでなく、ヤラれ役としても機能していた。受け身が上手いのだ。
ホストキャラとして上からイジることもできれば、大御所芸能人からの雑なフリにも対応できる。
ボケとツッコミ。イジりとイジられ。
ダイアンが二人がかりでやっていることを、城咲仁は一人でやってのけていることになる。
トドメを刺した1ネタ
2015年 M-1グランプリの準々決勝にて、ダイアンはバーベキューのネタをした。
とんでもない爆笑を産み、ダイアンの代表ネタと言っても差し支えないだろう。
(当時の動画は期間限定公開のため、現在公式ではSpotifyでのラジオ漫才でしかアップされていない)
ダイアン「バーベキュー体験教室」 - 聴漫才2
https://open.spotify.com/episode/6MUniQy8aANV5SVzRaEtS6?si=eK5PIdjAQbifNb9UFY1VcA
ネタ中にこんなフレーズがある。
ユースケ「最近、有名人の方がお忍びで来られてるんですよ」
津田「そうなんですか」
ユースケ「今日、有名人の方であの方来られてますよ、あの一世を風靡された・・・」
津田「えっ、誰ですか」
ユースケ「城咲仁さん」
津田「城咲仁!?あの元ホストの?」
ユースケ「プライベートでよく来られてます。あっ、写真とかはちょっとダメなんですけど」
津田「・・・大丈夫です」
2015年当時、城咲仁は既に表立った活動をせずなりをひそめていたが、それにとどめを刺したのがダイアンのバーベキュー体験教室のネタだ。
このバーベキュー体験教室のネタで大爆笑を巻き起こすことで、ダイアンは城咲仁は過去の人というレッテルを貼ることに成功した。
ダイアンは何故城咲仁を潰したのか
顔の類似度判定というサイトがある。2つの画像を貼るだけで、それぞれの顔の一致度が分かるというものだ。
この2つの画像を上記のサイトに判定してもらった。
するとこのような結果が返ってきた。
顔の類似度:6% 2枚の写真 同じ人ではない
当然の結果。
城咲仁とダイアンのユースケ。もちろん同じ人ではない。
しかし、冷静に考えてほしい。一致率6%なので似ていないと判定されているが、果たしてそうだろうか。
6%ということは100分の6。
日で換算すると、ダイアンのユースケは100日に6日は城咲仁なのだ。
つまり、約3ヶ月ごとに1週間は城咲仁ということになる。
あなたはダイアンのユースケ
あなたがもしダイアンのユースケだったと仮定してほしい。
あなたは人生の中で、ダイアンのユースケだったと仮定する時間を過ごしたことがないと思う。想像は極めて難しいかもしれないが、そこをなんとか乗り切っていただきたい。
ダイアンのユースケであるあなたが、約3ヶ月ごとに1週間・・・つまり、春夏秋冬の季節ごとに1週間、突然、城咲仁として過ごさなければいけないとしたらどうだろう。
季節の変わり目を感じる度に、1週間城咲仁として過ごさなければいけないのだ。
あなた(ダイアンのユースケ)はそれでも城咲仁ではないと言い切れるだろうか。
そろそろ秋の匂いを感じてきたなぁ、と思ったが最後、あなた(ダイアンのユースケ)は城咲仁なのだ。秋の匂いを感じている城咲仁のあなたは、書類に名前を書くときに「城咲仁」ではなく「ダイアンのユースケ」と署名することができるだろうか、いや、できない。
ダイアンのユースケは葛藤した。自分の中の6%の城咲仁は、一生、城咲仁として生き続けるのだ。
選択肢は1つしかなかった。
本物の城咲仁を社会的に抹消し、ダイアンのユースケ自身が城咲仁に成り代わるしかない。
そこでバーベキュー体験教室のネタが生まれ、城咲仁は過去の人であると流布した。
効果は絶大で、本物の城咲仁は今や父親の町中華の店を手伝っている。
ダイアンのユースケは昨年、27時間テレビのメインMCを、かまいたち、千鳥とともに成功させている。
栄枯盛衰の芸能界、雌雄は決した。
ダイアンのユースケは完全に城咲仁の枠を奪い、成り代わることに成功したのだ。
それが悪いことだとは思わない。
芸能界という、今が旬である人しか出ることのできない媒体で、席が限られている以上、売れるためには同じ枠を奪い合い続けるしかない。
漫才の呪術性
漫才は面白ければ面白いほど、ネタ中の言葉が与える影響力が強くなる。
言葉を扱ってボケてツッコむ以上、漫才中に行われたやりとりは、ネタだと分かっていても私たちの脳に必要以上に残り続けてしまうものだ。
城咲仁を過去の人というやり取りを見て、笑ってしまった客は同じ罪の意識を持った共同体となる。
その共同体として生きていくには、城咲仁は過去の人であるということを無理やりにでも正当化しなければならない。そうしなければ自分を否定することに繋がるからだ。
漫才は漫才、現実は現実。笑いのためにやっていることを過剰に信じすぎてはいけない。
それだけは覚えておいてほしい。
PS
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