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北緯52度の夏

夏至が近づいてきました。
どうも最近ベルリン(北緯52度)は、明るい時間が長すぎるのではないかと思って調べたら、北海道より緯度が高くてびっくりしました。稚内の緯度が北緯45.5度くらいです。夏が明るいわけですね。サハリンの真ん中(北緯50度)くらいのレベルです。行ったことないけど。

北緯44度、45度レベルは生活経験がありますが、52度は初体験です。緯度が7度ずれると、けっこうな差が体感できることがわかりました。

22時をすぎてもまだなんか明るいのです。一番上の写真は、曇りの日の22時ごろにとったものです。本当に暗くなるのは23時ごろです。朝は4時前から明るいです。東京(北緯35度)基準の感覚で生きている私には違和感が大きいです。

枕草子の秋の情景(推定16時ごろ)が22時に展開される感じって書いたら少しはわかりやすいでしょうか。カラスが家に帰る時間が遅すぎなのです。あと数も多すぎ! 枕草子の50倍くらいいます。暇すぎてカラスの数を数える私もなんですが、22時のベルリンの夕暮れには異次元かディストピアに迷い込んだような気持ちの悪さがあります。

秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行く とて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり。まいて雁などの つらねたるが、いと小さく見ゆるはいとをかし。

枕草子 by 清少納言

そしてそもそも、夜が4、5時間しかないってどうなんでしょうか? もっと緯度が高いフィンランドの人たちは不眠にならないんでしょうか? ヘルシンキの北緯は60度です。北緯50度以北に住む子供とかちゃんと寝てくれるんでしょうか? 頭の中は疑問だらけです。

冬が暗くて長くて寒いのは比較的慣れているのでいいのですが、とにかく夏に驚きました。白夜のことは知識として理解していましたが、実際に多少似通った体験をしてみるとなかなか妙な感じです。ムーミンにも夏の話がよく出てきますが、冬が暗く長い地域の人(生物)は、夏をとにかくエンジョイしようとするのでしょうね。これだけ明るければ活動的にもなります。

いずれにせよ、東京では夏が過酷で、むしろ夏こそ引きこもりがちだったので、明るくて涼しめで活動的な夏は新鮮です。おまけに今年はサッカーとオリンピックまでついてきますしね。ユートピアな夏になることを期待したいと思います。


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