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灯火を携えて

たくさんの道のりを経て今晩ここに辿り着きました。
神さまにずっと祈り、主の声を求め、牧師先生にもお祈りリクエストを送り仕事中も宣言をして。

午前中の仕事を終えて、電話を掛けて声を聞いて確認し主に委ねた。
友達との約束の場所へ向かう。
この約束は、その時未来が見えなかった彼女の為の未来の約束だった。

その途中で目的地への電車が人身事故の為にストップする。友達は仕事が入ってしまい会う時間が無くなってしまったので次回へと約束を来月へ延ばした。

心でホッとした。
帰って顔を見て安心出来る。
少しでも心が明るくなるようにと可愛いチューリップと苺のフルーツサンドを買ってまた最寄り駅に引き返す。途中で連絡をすると出かける所と言った。
外に出られたんだ。良かった。
じゃあ駅で待ち合わせしよう、とお花を持って改札で待っていると疲れた顔であらわれた。

「一緒に行こうかな」と仕事先の最寄り駅まで一緒に電車に揺られる。隣から沈んだ気配を受け取る。そして「大丈夫だよ」という温もりを送る。
少しづつ表情が柔らかくなる。
笑顔になる。

「お母さん昔パパとケンカした時ずっと山手線乗ってたんだ」
「笑笑 それいいねー、そっか山手線にすれば良かったんだ。府中本町まで行っちゃった」
「ね、この山手線乗ってる人みんな会社サボった人かも」
「だから誰も降りなくてどんどん人が増えてくのかな 笑」
「途中で海まで連れてってくれたらいいなー」
「車線変更してね」

駅の改札口に着くと「ここで大丈夫、ありがとう」私は手を握る「うん、あんまり汗かいてないね」「行ってらっしゃい」

3回も振り返ってた。
ニコニコと手を振る。

主よあなたは真実。
私にあなた以外誰を頼る事が出来るでしょう。

今日の電車の人身事故、その方にも家族があったでしょう。

闇が深くなるこの世界であなた以外に誰が光となれるでしょう。

私とお花が残った駅、そうだお昼も食べてなかったな、と駅ナカのお店を見ると美味しそうなマグロのコロッケ。
ベンチに座ってサラリーマンと並んでもぐもぐ。
どうしよう帰ろうかな、それとも気になってたあのお店に行ってみようかな。

本当に久しぶりに出来た余白の時間。

うん、行ってみよう!
チューリップとの小さな旅の始まり。

電車を乗り継いで着いた初めての駅。

そのお店はとても小さく、中に入ると爽やかな香りに満ちていて外の時間とは違う流れだった。止まってたのかもしれない。
チューリップにはカゴの中で待っててもらって、

私は小さなかけらの絵のリクエストをする。最初から決めていた。

そこに佇む作品は全部、気配を捉えてそれを切り取ったようなものだった。名前が無いのかそれ自体が名前なのか、そのような言葉や絵や灯。

あの子の部屋を、このお店の香りにしたら喜ぶんじゃないかな。
香りと絵と灯火を買った。

お金を使う時も主に聞いてみる。
なんて答えたのかは分からなかったけど、帰る途中でリクエストの内容はあまり喜んでもらえないかもしれないと気づく。

後で、付け足してもらおう。
「そして小鳥は飛び立った」

満員電車もチューリップと2人、なるべく庇いながらなんとか今日3回目の駅へ。

家に着くとやっとチューリップは花瓶に入れてもらって一安心。

1つ1つをワクワクしながら開けて並べる。

夜、帰って来た顔を見ると、駅で最初に見た顔とはまるで違う「のんき100%」で今まで生きて来ましたけど、とでもいうような表情でもぐもぐ遅い晩ご飯を食べていた。

そして2人で小瓶に入った爽やかな香りに火を付けた。
「ん?マッチの匂いしかしない?」
「ふふ」
「お風呂入ってる間にきっといい匂いがたまるんじゃない」

しばらくして部屋に入るとあのお店と同じ香りになっていた。

チューリップも言ってるはず「この香り知ってる!」って。

今日の聖書音読はネヘミヤの城壁再建。
片手で働き、もう一方の手には敵に対する剣。
今現在もまったくその通りの日々。

主の私への計画である城壁を作りながら、絶えずそれを阻止しようとする敵の攻撃にも御言葉の剣を持って同時に戦う。

「不信仰」という風が小さな灯火を揺らす

「本当に大丈夫なんだろうか」

「いや主は私を愛しておられる良いお父さん、愛する子どもを悲しませることなんてありえない」

「でも、、」

「いえ、あなた以外の平安はありえない。あなたの計画は祝福です」

私はこの灯火がどんなに細くなろうとも、ゆらゆらと揺らされたとしても決して消す事なく、いいえ主が遮り守ってくださると知っている。

絶えず燃やして行こう。

そして、灯りと共に飛び立って行こう。
暗闇の灯火となろう。

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