私の人形は良い人形ー第五夜(番外編)

昨年の秋頃に福岡県のある女性からの鑑定依頼で、最終的に父親と長男をのぞく一家の鑑定を引き受けた時の話です。

連絡をいただいたAさんは、しゅべりもしっかりとした、キャリアウーマンのような方でした。

相談内容は今後の仕事のことと身内と、家屋が火事で全焼した際の旦那さんが火をつけた奇妙な原因についての鑑定でした。

一家の長女と言う事で、依頼の仲介人のように家内についての鑑定が進んで行くと、ある現象が起き出しました。

話始めから異様にノイズが入り、話が旦那さんの話に及ぶと邪魔するように更にノイズが強くなります。

さすがに霊的な何かを感じた私はマイク付きイヤホンで話をしていましたので、両手で印を作ってみると、音がみるみる小さくなりました。

印を崩すと再び強くなりだしましたので手刀で切るとようやく会話がなんとか出来る状態になり鑑定がスムーズにいきました。

しかし、旦那さんの話になるとやはりノイズが再び強くなります。

やりづらいなと感じつつも、なんとかノイズを避けるように聞き取りながら、時間まで鑑定を終える事ができましたが、

ここからが大変だった

依頼者さんに鑑定書を後程送りますと、お伝えして電話を切ろうとした瞬間、全身が焼けるように熱くなり、飛び上がる程に驚いた私は身体に火がついたのではないかと、全身くまなく見回すと服に着火した様子もなく、一瞬火傷するような強烈な熱さから火元があるのではと周辺を見渡してみましたが、何も起きていませんでした。

不思議に思いながらも

鑑定依頼者さんからの電話は先方が先に電話を切られていると思いましたので、私も電話を切ろうとした瞬間です、

数秒でしたが、狐が姿を現しました。

それも白狐です。

相談内容の一部ですが家が全焼したと聞きました。

不意に消えゆく白狐を追うように視つめた私は、何の因果だろうと探っていると、一瞬稲荷神社が視えました。

暫く考えた末、鑑定依頼者さんに再度夕方お話し出来るだろうかとメッセージを送ると、もう少し色々と話しがしたかったと言う事を受けて再度夕方に電話をいたしました。


相談内容で少し触れた実家の火事について、昼間に電話鑑定終了間際に狐が視えました。

それも白狐ですのでお稲荷様関係で何かあったのではないでしょうか…

とお話しした後に、黙っておられた依頼者さんから、実はと事の次第を説明して下さいました。

すぐ近くに稲荷神社がある事と氏神神社になっている事、家屋内に井戸があった為、稲荷神社と井戸の因果を感じて丹念にお祓いをした事、

お稲荷に関することが一致していたため、

申し上げにくいですが、土地を離れた方が良いかと、私しにしては珍しい返答をしました。

その後に依頼者さんから


旦那さんが家に火をつけた際に

『そこに火をつけろ』

と幻聴か誰かが誘導した言葉もあり、

その言葉も頭から離れずその直後の白狐でしたので、土地がらみの因縁はあると思いますと言いました。


井戸については単純に説明しますが、陰陽五行では水の性質に入ります。

水神様のお祓いもそうですが、井戸関係の障りの場合には内臓、特に腎臓関係で影響もでてきますが、そうした症状が家屋内の人全員にあてはまらず

その為、ここでは単純な解釈になりますが、水は火を剋す関係ですので井戸の障りで火事を引き起こす事は考え難く、原因は敷地内に白狐と関係した障が出火も可能性として私はみていますし、祠があって御霊抜きが足りずに障りにあったか、近くに稲荷神社があり障の方角にあった可能性も考えました。

白狐は違うタイプのものもありますが、稲荷神社が視えたという点で稲荷神社の
眷属神と思いました。

地域によっては火之迦具土神さまの権現を粗末にするとそうした現象にあいますし、不動明王(特殊な例です)の障で影響も受けますが…。


ところでこうした現象が起きると狐憑きという伝承的精神病を持ち出すことがあり、一般的に開発地の為に環境破壊をされた野狐と言われる自然霊が激怒して、憑依した際の姿が狐に取り憑かれた姿とする一種の精神症例的な見方をする事もありますが、これは脳病の治療により完治すると言われています。

こっくりさんも代表的な精神症例ですが。

その後旦那さんの母親様と別日に電話で白狐を奉っていた事も話で聞きました。

お祓いの甲斐なく全焼したという事もあり、この機会に土地を離れるのも良いのではないでしょうかとお話しをしてみたところ、不動産屋に売却の手続き中であることを知り、後日その土地を売却したそうです。

私の視た事から最終的に、鑑定依頼者さんが住む以前の家屋の持ち主が、敷地内に祠をキチンと祀らずに取り壊し、新たな家を建てた事と氏神神社の参道に少し家屋が入ってしまったのが多少なりに原因があったのではないかと思います。

お稲荷様関係なら多種にわたり対処法がありますが、このケースはどうにもならないお手上げだったかなと後々印象に残った話しでした。

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