私の人形は良い人形ー第六夜

私の人形は良い人形ー第六夜

都内某所に住むAさんから占い鑑定をお願いしたいのですがと連絡を受けたのは昨年の夏の事でした。


相談内容は5年前に他界した母の供養とこの先の人生についてのアドバイスが欲しいと言った内容と、メンタル面では対人恐怖症もありコロナ禍の中で日々生きづらい自分が情けないと言う事でした。

いつも通り電話で話をして、相談内容の一つ一つ丁寧にお話しをしていると、Aさんが小さい時に両親が離婚した後、ずっと2人暮らしをして他界した母親について色々とお話しをしていると、

突然、カシッ、カシッという窓ガラスに小石が当たるような音が鳴りました。

結構な強い音でしたので、おやっと思った私は一瞬口調がトーンダウンするような話方になってしまい、Aさんの方も違和感を感じたのか、一瞬黙り込んでしまいました。

その後も鑑定中に2回程、同じ現象が起きましたが、その都度、話しを中断したりとなんとも不思議な音でしたが無事に鑑定も終わり電話を切ったのですが、何となく覚えのある現象に、


『あの音は、経験があって何か原因があったんだよな…何だったかなあ』と、う〜んと考えたのですが、思いだせません。

その後私は特にこのAさんについての鑑定で、思う事はなかったのですが、1か月後の盆が終わった16日夕方に、Aさんからメッセージをくださいました。

私と鑑定を終えた日の夜からローカで誰かが歩く音が聞こえたり、居間に着物姿の女性が一瞬、それも衣裳着のお姫様のような姿が見えて部屋の入り口を入った瞬間に消えてしまったり、

カシッという音が聞こえて、怖くて仕方がないとの事でした。

そしてついに昨夜、就寝中に不意に目が覚めたAさんは何気に近くに気配を感じた為、

恐る恐る暗い部屋を見渡した瞬間、Aさん声が出ない程驚き震えてしまった。


頭から垂直に真っ直ぐ立つている冠をかぶっている昔の人が立つていたといいます。

その話を聞いた私は、直ぐにAさんに

『仕舞い込んだままの雛人形が自宅にないでしょうか…』

私は思い出したとばかりにお話しをしました。たまに仕舞い込んだままの雛人形がカシッカシッと音を出さしたり、コンコンとノックするような音を出す事があります。

あるいは3月3日間近になると夜な夜な家屋を歩くような音も聞こえてきたり、別鑑定では誰かの啜り泣く声が聞こえたりともありました。

溜まりかねた気持ちからAさんから何が原因でしょうかとおっしゃいましたので、自宅に仕舞い込んだ雛人形がないでしょうかと、その原因についてお話しをいたしました。


Aさん、困惑するような口調で、実はずっと仕舞い込んだ雛人形が押し入れにあります、この雛人形を出さなかったことが原因でしょうかとおっしゃいますので、

私は5年前に他界されたお母様とこの雛人形は特に縁が強かったのではないでしょうかとお話ししますと、

Aさんの母親がAさんが生まれた年に購入した雛人形だった事と毎年飾っていたものの母親が病気で他界してからは、この雛人形は一度も飾ってなく、ずっと押し入れに仕舞い込んだままといいます。

『飾ってあげたらどうでしょうか』

私がAさんにそのようにお話しをすると、Aさん更に困惑して

『大丈夫でしょうか…』とおっしゃいます。飾ってから、更に毎晩毎晩寝てる側で男雛、女雛、三人官女の人形が夜な夜な歩きまわったり動き出したりしませんでしょうかと心配しますので、

私は『Aさんのお母様が、雛人形を飾ってあげてというメッセージを送ってます、飾ってみたらわかりますよ』とお話をして私は電話を切りました。

後日Aさんから怖かったのですが、飾ってみると不思議と心が落ち着いて、いつまでも飾って置きたい気持ちがあり、逆に季節外れに飾っている雛人形を誰かから見られて、変な人に見られたらどうしょうかとハラハラしたといいます。

また今年3月には、占い鑑定依頼して下さいましたKさんという女性の方も他界した母親の雛人形とKさんの雛人形が天井裏に置いてある事で、占いとは別件で供養などのアドバイスをさせていただきました。やはりKさんも人形にまつわる事が怖くて処分を早くしたかったようですが、

処分したい気持ちはわかりますが、まず出してあげて飾ってあげてはどうでしょうかと

私の経験談と三木大雲住職の雛人形のお話しをさせていただいたところ、



今は安心感が出てきて、雛人形が怖くなくなったとおっしゃい機会をみて飾るとおっしゃいました。

依頼者さんが誕生して、見守ってくれるように飾られた雛人形は、人依として厄を落とす貴族のひいな遊びから生活に密着した一家の神事、祭事とも言える伝統継承の行事に現在はなっています、嫁に行けば処分していた風習も今は現在でも一家の安寧と安泰を祈って、飾り続ける風習になりました。

迎え入れた喜びから置き去りに去れた雛人形は私達だったらどのような気持ちになるでしょうか、やはり寂しい気持ちになるのではないでしょうか。

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