私の人形は良い人形ー第三夜

私の人形は良い人形ー第三夜
第ニ夜からの続きになります、


たけさんから連絡を受けて、車を走らせた私は問題の貸家に10分程で到着しました。

直ぐに玄関口にいるたけさんを見た私は躊躇なくたけさんのところへ向かいました。

そこで何げに縁側を見た時、1人の少女がこちらを向いて立つている姿に気がついた私は一瞬立ち止まりかけつつも、少女の顔を見ながら玄関に入りました。

6歳〜10歳ぐらい、アバウトに推測しながら私との視線を逸らす事も無く、何かを伝えたかった様子でした。

玄関の入り口中央付近に不自然にコンクリートで固められた場所を見つめながら、誰かとたけさんは携帯電話で話をしている様子でした。

玄関奥のローカを右側に先日あしを掴まれた居間と縁側がある。

携帯電話を切ったたけさんは私を見ると、『すまない、ちょっとだけ手伝って欲しい事があって…』というと、それは今日でなくて、また連絡をくれるという変な依頼でした。

今日はこれから何か用事あるかと、たけさんから言われたので、私は別段何も無いと言うと、先日手伝ってくれたのに何もおもてなしもしなくて申し訳なく、あれだ…、良かったら、今からここで一杯やらないかと、たけさん申し訳なさそうに言うので、

私は気にしなくていいですよ、何があったら…また手伝いますんで、いつでも言って下さいとたけさんに言うものの、どおしてもと言う事で断ることが出来ず、一旦車を自宅に戻して出直してくる事になりました。

手ぶらでは悪いと思った私は日本酒や焼き鳥他買出しして、たけさんの家に行くと、たけさんもオードブルや寿司を準備して待っていました。

『手ぶらでこいって言うたやないか❗️、色々持ってきて…こんな沢山、食べれるか❗️』と苦笑するたけさん、私はどうしても手ぶらが嫌いで、今でも手ぶらは苦手で今だにあります。

さて、たけさんと乾杯から始まった引越し祝い❓は仕事話や神社関係の話が中心でしたが、夜8時を過ぎた頃で盛り上がっている時でした、

バキバキっと言う木を割って割く音が、部屋に響きました。音は誰も居ないはずの部屋を出たローカ付近から聞こえ、一瞬私達2人はローカ付近から発した音の方角を見ましたが、何も変化がありません。

『たけさん…、あのさあ、ここ本当に住んで大丈夫…』

『…』

暫く黙っていたたけさんが、まじまじとした顔で私を見ると、

『先日、お前に話をしたと思うけど、日本人形みたいな、というか市松人形みたいな、おかっぱ頭の…、ここ変だよな…』

『はい…』と返事をする私、

昨夜は寝室で寝ていたら、何かの気配を感じたので起き上がると気のせいかと思ったら部屋の隅におかっぱ頭の姿が見えたので、更に目を凝らして見ていたら、スッと消えたんだよ。


と、たけさんが話をした後に、6歳〜8歳くらいか、女の子を視ていないかと言うので、

私はこれまでの事をお話ししました。

それを聞いたたけさんは、やはり人形だよな…、この1週間色々あったよ、『泥だらけの人形の夢、埋めないで…、埋めないで…と耳元で囁く女の子の声を聞いたり…』(随分前の体験談ですので、うろ覚えですが、こんな話をしたと記憶しています)

それ私も夢で視ました。

と2人似たような夢を視ていたので、たけさんと私は驚いてしまいました。そこで、たけさんが、本題というか確信的な話を話し出しました。

『何となくさ、こんな仕事をしていると…、親父や同業者から、たまに人形に纏わる話を聞いたり実際に体験談とか聞いた事があるので、親父にこの事を先程電話で聞いてみたんだけどな、』と話をするたけさんの仕事は水道工事業を経営している事業者だった。父親は店長さんで、たけさんは跡継ぎの長男であった。

そして昔父親から家屋内に上下水道工事をする際に身代わりに人形を埋めるという事を聞かされ、エピソードも聞かされた覚えがあった為、先程の件で色々と聞いてみたらしい。

身代わりの人形は、紙で作成したものから、ぬいぐるみだったり、りかちゃん人形っぽいものから、日本人形をそのまま埋める人もいるけど、家屋内に工事した形跡があると、人形を埋めている可能性が高いと父親から言われたという事だった。


そこで、私が足を掴まれた場所、人形の髪の毛が散乱していた、居間の場所に人形が埋まっているのではないかと、たけさんは考えました。

そこで、畳を退けて板をどけて、その付近を見てみようと思うと、たけさんは躊躇なく言います。

畳をずらして、板を外し様子を見て休日の時に調べてみようと思うと、たけさんは言いました。

この話を聞いた私自身、凄く驚きましたかが、こんな霊現象がある住居で平気でいる、たけさんにも私は驚きました。


そして最終話の第四夜で、真実がわかり話を締めくくりたいと思います、終わりにできず申し訳ありません。

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