グラフニューラルネットワークならCogDLを。
12月1日水曜日、もう師走。気温はマイナス4℃からプラス7℃。日中は結構暖かい。
今日の朝8時から、金曜日のGala Nightで使う機材の様子を見るためにバンドのメンバーと集まる予定だったが、昨日の時点で目処がついたのでミーティングを中止。で、今日の最初の予定は10:00からの短期集中中国語講座。しっかり45分間集中して新しい表現などの練習もする。この講座を担当してくれている关关老師は米国のペンシルベニア大学で教鞭を取っていたとのことで、フィラデルフィアの母校の話で盛り上がる。次回の授業は来週の水曜日、同じく10:00から。
今日のお昼は、ソフトウェアプロジェクトマネジメント(SPM)の張勇教授と一緒に。彼からのお誘いで清芬園3階の教師専門レストランで食べる。ここでは学生カードが使えないので全額奢ってもらった。食事しながら彼の英国ケンブリッジ留学時代の話や僕の米国留学の話をお互いにして、面白かった。張勇教授は車、僕は自転車なので一旦別れて、13:30に再度、第四教室楼で会う。SPMの授業だ。今日もオフラインで出席の学生は僕だけ。だから好きなだけ質問や議論が出来る。今日の授業のテーマはSPMにおけるリスクマネジメント。張勇教授はあるべきリスクマネジメントのプロセスに関して解説してくれたが、僕に言わせるとプロジェクトのリスクマネジメントは思っても見なかったリスクが思わぬタイミングで発生するものなので、定型的なプロセス管理の手法では難しいのではないか、と思っている。要点は3つ。1)リスクの”匂い”がした時点で先手を打つ、2)プロジェクトメンバーは誰でもすぐにそのリスクが手に負えるかどうか判断して、できればすぐに手を打つ、3)そうでなければこれもすぐに上に上げる。特に最近は自分の手に余るリスクがたくさんあるので、間髪入れずに上に報告することが大事だ。あとは、問題と思うことに関して、自分で考えて自分の常識で判断すること、さらにそれを記録に残すことも大事だ。例えば、メガバンクの基幹システムをもし、三つか四つに分けてデザイン・構築・保守している場合などは、常識的に不具合が発生して当たり前と思われるが、当たり前のことを当たり前と言っておかないと後で問題になった時に言い訳もできない。だからもし何らかの理由で事前に解決出来無いとしても、最低限自分の常識に従って問題は提起・記録しておく必要がある。この考えに関しては、張勇教授も同意してくれた。
寮に帰ると、京東のオンラインショッピングで買った荷物が届いているというので、宅配便センターまで取りに行く。プリンターのインクカートリッジと姿見の鏡だったが、鏡の方は寮の自室で開けたら割れていた。さて、どうしたものか?24元くらいの安物だったので、そのまま廃棄しても良いが、どうしよう。
19:20からの機械学習の授業のために、第六教室楼に行く。今日の唐杰教授の講義のテーマはグラフニューラルネットワーク(GNN)。node2vecとかDeepWalkとかNetSMFとかProNEとか、さまざまなGNNのアルゴリズムやモデルを数式とパフォーマンスで紹介・解説していく。いくつかのモデルは清華大学のPhDの研究生が考案したもので、学部内でも(健全な)競争があるようだ。で、授業の最後にCogDLの説明をしてくれた。CogDLは清華大学が開発したGNNのツールキットで、オープンソースでとても使いやすくできている。中国語版と英語版がある。なんでも、巷に雨後の筍のように出てくるGNNのモデルを実際に試してみようと思ったがこれが結構大変だったので、みんながもっと簡単に使えるようにと唐杰教授や他のコンピュータサイエンスのAIチームのメンバーが開発したそうだ。PyTorchが使えれば誰でも使えて、もちろん日本からでも使える。こういうのをみんなに無償で提供したりするのを見ると、清華大学の自律と社会奉仕の精神の発現を見た気がして、そのコンピュータサイエンス学部の一員として大いに誇らしい気分になる。今学期、最高に感動した授業の一つになった。
(CogDLのウェブサイトを下記に添付しますので、もし興味があれば見てみて、使ってみて下さい。)
帰りにいつもの玉樹園レストランの2階で夜食。今日はミートボールスープと蒸し餃子、20元(360円)。あと、ここに友人のAlexを呼び出して、アルゴリズム論の答え合わせをさせてもらう。大体出来ていたので、明日清書して無事期限内に提出できそうだ。アレックス、ありがとう!
明日も結構忙しいので、今日はこの辺で。
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