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金を貸したらどんな相手でも絶対回収!『ミナミの帝王』

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掲載作品の中でも特におすすめの作品を紹介してまいります。今回は『ミナミの帝王』(原作:天王寺大 作画:郷力也)をご紹介します。

ミナミの帝王_書影

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1992年にスタートして以来、現在も連載が続く本作は金融漫画にしてはビックリするほどエモい(笑)!
萬田銀次郎は、大阪一のゼニ貸しだ。利息は「十一(トイチ)」……つまり10日で1割。「地獄の閻魔様からでも取り立てる」と吠える威勢の良さがカッコいいダークヒーローである。

「ワレ誰にモノ言うてると思っとんじゃい」「なに寝言ゆうてまんねん」とベッタベタの大阪弁で凄みもきかせれば、知的でもあるのが銀次郎の魅力。
大阪のミナミというギラギラした土地を舞台にしているだけあって、銀次郎に金を借りる相手も一筋縄ではいかないこともある。

やくざ者とバトっても勝ち目はないし、たとえうまくいっても金は回収できず、しょっ引かれるのが関の山。そもそも銀次郎の行動原理は「金を回収すること」のみなのだから、それができなきゃ意味がない。

そこで、銀次郎が‘法に触れないギリギリの裏技や心理的な駆け引きを駆使していく、回収にこぎつけるあの手この手が読みどころなのである。

たとえば自分の会社を計画倒産させて借金を踏み倒すなど……ハナから銀次郎を騙すつもりの社長も登場するが、こんな時こそ銀次郎は燃え上がる!

「ミナミの鬼」と恐れられる銀次郎をナメたらどんな目にあうか知らしめるべく行動開始。このエピソードでは、銀次郎が社長の住所変更を勝手に行う描写があるのだが……「本人かどうか確認もせんと転出転入させるやなんて役所もええかげんすぎるで。そやから戸籍を利用した犯罪があとを絶たへんねや!」、さらには「行政に疑問を感じるのう」などとつぶやきながら淡々と手続きを行い、舎弟に「アニキ、政治家になったらええのに」なんて言われていたりする。

そう、今では信じられないが、かつては本人確認書類がなくても住所変更や実印登録ができたりしたのだ。ワルな輩に負けじと悪知恵を使う銀次郎だが、ときおりトボけた顔で常識人(?)なところを見せるギャップが魅力的だ。

まっとうそうな人にヤバい金額の借金を申しこまれれば諭すようなことを言うなど(最終的に回収はきっちりやるにせよ)、人情家の一面も。コメディタッチの場面も多く、愛すべきキャラクターである。

作者の郷力也は大阪の出身。大阪で実際に金貸しの仕事をしている友だちから、様々なおもしろいエピソードを聞いたことが本作誕生のきっかけになったとか。生活に困っているからお金を借りるのではなく、「今晩、遊びに行くのに手持ちがないから」なんて理由で20万や30万のお金を借りちゃう……そんな人がいるのが「ミナミ」を舞台にする理由だと、かつてインタビューで語っている。ちなみに原作担当の天王寺大は郷力也の実弟だ。

銀次郎は “正義の金貸し”と言ったらさすがに言いすぎだが、“スジを通す”ことに重きを置く男。金にまつわる名台詞もいっぱい、痛快で後味のいい金融大活劇である。

書き手:粟生こずえ

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