夜に灯る提灯
仕事帰り、ヘトヘトになりながら帰り道を歩いていると提灯が見えた。
京都ぐらしの日が浅い私は、思わずおぉ、と感嘆の声をあげてしまう。
四箇所の提灯は、通りを挟んでついに立っている。夜道を照らす提灯の灯りに、遅い時間で急ぎ足の帰宅最中だった私は、なんだかホッとした。
調べてみると近所の神社のお祭りのための提灯だったことがわかった。神社へ続く道に提灯を灯す。神さまの通り道なのだろうか。
それにしても粋だな、と思うのがお祭りの二週間も前からこうして提灯を灯しているということ。そのおかげで私はこうして京の町の祭りが行われることを知ることができたし、何より提灯が灯される夜の町の風景が美しいのだ。
これが意図せずともできあがる、真のブランディングのような気がする。
是非ともお祭りに参加したいのだが、あいにくその日は仕事。きっと私が帰る頃には「祭りのあと」の町の顔になっているのだろう。
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